研究代表者の所属の異動等もあって、当初の研究計画りに研究は進捗しなかったが、基本的方向は研究計画通りに進んでいる。 (1)ZnドープYBCO単試料の作成 超伝導状態の不純物効果の研究に不可欠の試料である。研究計画通り、比較的良好の超伝導特性を示す単結晶試料の作成を成功した。 (2)1MHz-150GHzの磁場侵入長測定 上記表題のシステム作成に成功し、単結晶試料で測定を開発した。研究がさらに進めば、これにより、高温超伝導体単結晶試料が低温で示す非BCS的な振る舞いの起源についてこれまでに無いはっきりした知見が得られるであろう。 (3)複素電気伝導度の周波数依存性の評価 50GHzでの複素電気伝導度測定に成功し、これによりマイクロ波領域でも伝導度に周波数依存性があることを発見した。この事実は超伝導発現機構の解明にとって非常に重大な意味を持っており、今後のさらなるつめが急務である。
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