研究課題/領域番号 |
04240229
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉山 清寛 大阪大学, 理学部, 助手 (00187676)
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研究分担者 |
日高 義和 NTT境界領域研究所, 主任研究員
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
山岸 昭雄 大阪大学, 極限物質研究センター, 助教授 (10006273)
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キーワード | 高温超伝導 / 強磁場 / 2次元伝導 / 磁気抵抗 / 残留抵抗 / 常伝導 / 希土類化合物 / アンダーソン局在 |
研究概要 |
高温超伝導体が発見されて以来、我々は良質な単結晶と強磁場のドッキングという方向より高温超伝導を調べてきた。高温超伝導体はT_cが高く、その上部臨界磁場H_<c2>も非常に高い。我々は高温超伝導体の良質な単結晶を用いて強磁場を用いて超伝導を壊して常伝導状態を調べている。その中で、電子系高温超伝導体Nd_<1-x>Ce_XCuO_yの強磁場磁気抗抵の測定を行い、強磁場によって超伝導が壊されることにより現われた常伝導状態での抗抵値が低温になるほど大きくなることを見つけ、常伝導状態の電気抗抵は約4〜20Kの温度範囲でlnTの温度依存性を示す事がわかった。近藤効果を起こしていると考えると、Tkは5〜10Kとなり、20Tの磁場では近藤効果を壊れていることになりおかしく、強磁場中でも観測されている2次元弱局在による電気伝導のlnT依存性であると考えられる。データ解析により、2次元伝導の幅もc軸方向の格子定数の半分になり自然に理解出来る。したがって、超伝導を起こすサンプルにおいて、その電気抗抵は2次元的であると結論づけられる。次にNd_<2-X>Ce_XCuO_4以外の高温超伝導体でも、2次元系での弱局在領域の電気伝導のlnT依存性があるのかどうかが焦点となる。しかし、我々が以前に測ってサンプルは残留抗抵が小さすぎてlnTが観測出来ない。そこで残留抗抵のコントロールについて検討し可能性を探った。その結果、酸素濃度をコントロールすることでサンプルの超伝導状態を壊することなく、残留抵抗をある程度コントロールすることに成功した。このサンプルを用いて、現在強磁場中での磁気抵抗の測定を行っているところであり、来年度にはその結果を報告する予定である。
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