研究課題/領域番号 |
04241105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤元 薫 東京大学, 工学部, 教授 (30011026)
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研究分担者 |
大塚 潔 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60016532)
穐田 宗隆 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (50167839)
細川 隆弘 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90029520)
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
秋葉 欣哉 広島大学, 理学部, 教授 (20011538)
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キーワード | メタン / メタノール直接合成 / 酢酸パラジウム / 触媒的酢酸合成 / アルカンからのケトン合成 / Sb-ポルフィリン錯体 / プロパンの脱水素反応 / リン酸鉄触媒 |
研究概要 |
メタンの活性化に対しては、その強い結合強度のため、高温高圧、あるいは反応性の高い試薬を用いる必要がある。これらの基礎方針により研究を進め、本年度は以下のような研究成果を得た。 約1000Kに加熱したフィラメントに高圧下でメタンガスを流通させ、メタンをメチルラジカルに励起し、それを酸素と低温で反応させることによりメタノールを合成するプロセスの開発を行った。それにより、通常ではメタノールがほとんど生成しない473Kという低温で、選択率40%でメタンと酸素からのメタノール直接合成に成功した(藤元)。酢酸パラジウムと酢酸銅を触媒として、トリフルオロ酢酸を溶媒として、353Kという低温で、メタン、一酸化炭素、酸素からの触媒的酢酸合成を実現し、さらに同じ触媒を用いて、メタンと二酸化炭素からの酢酸合成も可能であることを見出した(藤原)。Ru/Cを触媒として用い、過酢酸を酸化剤としてノルマルデカンの酸化反応を行ったところ、ほぼ選択的にデカノンが生成することが分かった。本触媒系を用いることにより、アルカンからのケトンの合成法の開発を行った(細川)。活性化されたメタンのモデル化合物として15族元素-炭素結合を持つポルフィリンとして最初の例であるSb-ポルフィリン-メチル錯体の合成を行い、構造解析及び反応特性を明らかにした(秋葉)。プロパンのプロピレンへの酸化脱水素反応において、コパルトまたはマグネシウムとモリブデンの複合酸化物が高い活性を持つことを見出し、その活性出現がバルク構造及び表面特性と大きく関わっていることを明らかにした(穐田)。リン酸鉄触媒を用いてメタンを水素と酸素の混合ガス中で反応させることにより、比較的低温でメタンが活性化され、メタノールが選択的に生成することを見出した。さらに、水素と酸素共存下にのみ見られる、特異的なメタノール生成反応の触媒活性点及び反応機構を明らかにした(大塚)。
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