目的 有機電荷移動錯体の結晶構造の内、ドナーとアクセプターが交互に並んだ交互積層型とドナーはドナー同士、アクセプターはアクセプター同士で配列した分離積層型がある。このような有機電荷移動錯体の結晶構造の特異性を利用して電子のスピンがそろった磁気的性質を持った結晶を育成することが目的である。 方法及び結果 平成4年度は代表的なドナーとしてTTFを、安定ラジカルとして4-Hydroxypiperidine-1-nitroxy(HPN)をそれぞれ選び。TTFにHPNを置換基として導入した不対電子を持ったドナーを以下の反応に従って合成し、2と3が得られた。これらとTCNQ、ヨウ素、DDQとの粉末状の錯体が得られている。現在、拡散法と電解法で結晶育成中である。
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