研究概要 |
原子核の反応で有効であった組替えチャネル結合法を、化学反応に適用するための計算上の開発を行っている。たとえば、a)組替え反応に対する連立微積分方程式の積分核の計算時間、メモリーは実用的か、採用すべき内部(振動、回転)波動関数の形としてどんなものが、妥当か。b)チャネル数は実用的な範囲で十分に取れるか、Sub-channel数を実用的に減らす工夫はないか。c)closed channelsの効果(波動関数の3体相互作用領域)を表すための基底関数が、十分良いものであるか、少なくとも、3体系の束縛状態や共鳴状態がある場合、これを十分よく記述できるか。d)Light-Light-LightのみでなくLight-Heavy-Light系にも耐えられるか、など。 a)については、本年度は、GaussianやDisplaced Gaussianを使った場合のHamiltonian matrix elementsの表式の作成、数値積分におけるメモリー、計算時間の予測などを行った。また、三原子間ポテンシャルのルジャンドル展開、動径成分のガウス型関数による展開などについて、数値テストを行った。 b)については、Light-Heavy-Light系やHeavy-Light-Heavy系の場合に備え、「チャネル数を減らすために、角運動量Sub-channel間で動径波動関数を同一と見なす(sub-channel間で平均する)近似を考案し、妥当性の検討を始めた。同常、反応確率はstate-to-stateで議論され、sub-channel間で和が取られているいることに注目したものである。 c)については、相互作用領域展開基底関数の有用性を見るために、3体系、4体系のガウス型基底関数を用いて、^4原子のtrimer(3体系),tetramer(4体系)を解いて、十分満足できる結果を得た。
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