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1992 年度 実績報告書

溶液内での組み換え反応.特にプロトン移動反応についての定量的取り扱いの研究

研究課題

研究課題/領域番号 04243219
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

志田 典弘  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00226127)

キーワード溶液内化学反応 / プロトン移動反応 / 反応曲面 / 反応経路 / ポテンシャル曲面 / 凝縮系の融解現象 / 位相空間 / エントロピー
研究概要

本研究では数年計画の研究プロジェクトとして、中程度の大きさの溶液内組み換え反応を定量的に取り扱うための理論開発とその反応に取り組んでいる。この中で平成4年度は、非常に基礎的な問題を2つ取り出し、独立なサブテーマとして研究を行なった。
(A)多次元の化学反応を1次元の反応経路に射影して、その枠組の中で化学反応を記述しようとする試みは、現在まで数多く行なわれているが、プロトン移動反応のような(重原子)-(軽原子)-(重原子)の組み合わせでは、妥当な反応経路を定義する事自体が大変に難しい問題となる。この問題の一つの解決策として、射影する空間を1次元の反応経路から多次元の反応曲面にする事が考えらる。本研究では、GradientExtremalPathの定義を多次元版に拡張し、反応曲面を、一般的に定義する方法を提案した;Ηg^^~=λg^^~,g^^~=Σ^^m__iC_<igi>,g≡(∂V)/(∂x),Η≡(∂^2V)/(∂_x∂_x)(但しC_iは任意の定数)このような条件を満たす曲面は、ポテンシャル曲面(V)のm次元の部分空間となり、その中には局所安定点、遷移状態、m本のGEP等が全て含まれる反応曲面に最適な曲面となる。本研究では、このような条件を満たす反応曲面を求めるための計算アルゴリズムを開発し、(NH_2-H-NH_2)のプロトン移動反応についてab initioレベルでのテスト計算を行なった。
(B)この研究では、凝縮系としての性質を示す最の小さな分子クラスターとして7個のアルゴン原子からなる系を考え、融点付近の温度(〜20K)でMD計算やMC計算を行ない、融解現象とダイナミックスを直接結び付ける指標を開発すると共に、力学系の運動形態の変化と言う立場から融解現象の考察を行なった。考察の結果、融解現象の理解にはポテンシャル曲面ではなく、位相空間の割合に局所的な挙動が重要な事が解った。また力学的に計算された配置エントロピーが、融解現象をモニターするのにふさわしい指標である事が解った。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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