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1992 年度 実績報告書

核酸と蛋白質の特異的認識反応に関する量子化学および分子動力学による研究

研究課題

研究課題/領域番号 04243222
研究機関国立がんセンター

研究代表者

相田 美砂子  国立がんセンター研究所, 生物物理部, 研究員 (90175159)

キーワード非経験的分子軌道法 / 分子動力学 / 量子化学 / 核酸 / 蛋白質 / 特異的認識反応 / 水素結合 / コンピューター・シミュレーション
研究概要

分子の構造や反応機構を明らかにするために、非経験的分子軌道法は非常に強力な手段であるが、巨大な生体高分子の系に非経験的分子軌道法をそのまま適用することはできない。生体高分子は、いくつかの基本ユニットから成り立っている。そこで、まず、生体高分子のモデル化合物間の相互作用エネルギーを非経験的分子軌道法を用いて計算する。次に、それを参照データとして用いて、原子間の距離を変数とするポテンシャルのパラメーターを、最小二乗法を用いてフィットさせることによって得る。が得られれば、それは、巨大な生体高分子の系に容易に適用でき、さらに、それを用いて計算した結果は、非経験的分子軌道法によって計算した結果と同程度の信頼性を持っている。このような性質を持つポテンシャルを用いて生体系に 分子動力学を適用することによって、核酸や蛋白質等の生体高分子の構造や、生体高分子が互いに特異的に認識する機構についての理解を深めることができる。このような目的をもって、非経験的分子軌道法による量子化学計算に基づいて生体系一般に汎用性をもって使用できるポテンシャル系の導出を進めている。
今年度は、これまでに得ているポデンシャル系に金属イオンのパラメーターを追加するために、生体高分子のモデル化合物と金属カチオンの間のいろいろなコンフォメーションにおける相互作用エネルギーを、非経験的分子軌道法によって求めた。
また、生体高分子は実際には水溶液中に存在する、そこで、水溶液中におけるペプチドの構造、および、その周辺の水の構造についての分子動力学法による計算を、これまでに得たポテンシャルを用いて行った。その結果、水溶液中において、生体高分子とその周辺の水分子とが水素結合系を形成して構造をつくっている様子が見出だされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Aida,G.Dorongiu and E.Clementi: "Ab initio Force Field for Simulations of Proteins and NucleicAcids" International Journal of Quantum Cemistry. 42. 1353-1381 (1992)

  • [文献書誌] M.Aida,G.Corongiu and E.Clementi: "Ab initio Force Field for Simulations in Aqueous Solution of Biological Molecules" Proceedings of the International Symposium on Advanced Computing for Life-Science. 61-63 (1992)

  • [文献書誌] M.Aida,G.Corongiu and E. Clementi: "Ab initio force field for simulations of proteins and nucleic acids:Application to molecular dynamic simulations in aqueous solution" Proceedings of the Second International Conference on Computer Applications to Materials and Molecular Science and Engineering.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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