| 研究課題/領域番号 |
04244101
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
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| 研究分担者 |
松木 征史 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50037941)
増田 康博 京都大学, 高エネルギー研究所, 助手 (60150009)
清水 裕彦 京都大学, 高エネルギー研究所, 助手 (50249900)
延与 秀人 京都大学, 理学部, 助教授 (30213606)
今井 憲一 京都大学, 理学部, 教授 (70025493)
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| キーワード | 空間・時間対称性 / 共鳴吸収 / 弱い相互作用 / 熱外中性子 / ランタン核 / 透過中性子 / ガンマ線 / 陽子偏極 |
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| 研究概要 |
これまでに低エネルギー中性子の原子核によるp波共鳴吸収で大きなパリティー非保存効果を発見し、その機構の解明に大きな努力を払ってきた。この現象の原因は核力に含まれる弱い相互作用の僅かな寄与が複合状態において蓄積されることによることが判明した。
本年度はこれらの解明のために実験を更にすすめるとともにこれらの現象を用いた時間反転の探索のための基礎的実験を行なった。本年度の成果としては次のものがあげられる。
・液体窒素の温度において少量のペンタゼンを混ぜたナフタリン単結晶にレーザー光をあてて励起状態とし、それにマイクロ波を照射することにより電子偏極を陽子に移す方法で陽子を偏極させた。この偏極法で陽子が自然状態の偏極の数万倍以上となり、約13%の偏極がはじめて確認された。これによって透過中性子スピンの偏極が高温で行なえることが判明した。更にタ-フェニール結晶についても同様の試みを行なっている。こられの成果は高エネルギー物理学の研究にも役立てられる。
・ネオディウムを少量混ぜ合わせたLaAlO_3結晶中のランタン核を1.5K,23KGで動的に偏極し、約25%の偏極を得た。更にそれを熱外中性子をあてて中性子の透過度を測定するとともに透過中性子の偏極度を詳しく調べた。これにより中性子のランタン核による共鳴吸収反応を用いた時間反転非対称性の研究に新しい道を開くこととなった。
・0.73eVの中性子をランタン核にあてた時に発生するガンマ線の中性子スピンの方向に対する非対称性をNaIシンチレーションカウンターを用いて精度よく調べ、核力における弱い相互作用についての新しい情報を得ることができた。これにより時間反転非対称度測定の感度を決定した。
これらの研究成果によって熱外偏極中性子を用いた素粒子の対称性の研究を更に行なうための基礎を築くことができ、現在その測定に取り組んでいる。
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