研究課題/領域番号 |
04244103
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
海老沢 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027453)
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研究分担者 |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
大竹 淑恵 茨城工業高等専門学校, 講師 (50216777)
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
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キーワード | 多層膜ミラー / 極冷中性子 / 多層膜中性子干渉計 / 中性子スピン干渉計 / 多層膜スピンスプリッター / 位相-スピンエコー干渉計 / トンネル現象 |
研究概要 |
平成7年度に重点的に行われた研究は、Mach-Zehnder型多層膜干渉計の特性試験、スピン干渉実験及びトンネリングタイムに関する実験方法の検討であり、その成果と現状、将来計画に関してまとめる。 1.Mach-Zehnderの多層膜干渉計では、リアルタイムでミラー位置のモニターが可能になり、はじめて再現性をもって干渉パターンの観測に成功した。しかし、そのコントラストは約2%と低いため、飛躍的な改善が必要である。そのためには3点の技術的改善が必要である。第一は反射ミラーの平行度の飛躍的改善である。これは精密エタロンの応用により少しの費用でかなりの程度まで可能であり、次年度に実施する予定である。他の2点はミラー位置制御の精度及び干渉計用ミラーの性能等の一層の向上である。これには創意工夫と費用を必要とするので、新たな研究課題として次年度以降に実施を計画している。 2.多層膜中性子スピン干渉計に関する研究は計画以上に順調に進展した。その結果、多層膜スピンスプリッターを用いた非磁性の量子力学的スピンプリセッションの現象が実証されると共に、位相-スピンエコー干渉計の開発、遅延選択実験のための干渉計の開発等様々な成果が得られた。次年度にも、多層膜ミラーを用いた極冷中性子によるスピン干渉実験は継続されるが、一層の進展が期待される。 3.多層膜ミラーと極冷中性子の組み合わせはトンネリング現象の解明に適している。本年度、実験的にその時間情報が得られる多層膜中性子分波器の開発に成功した。次年度には、これを用いてトンネリングタイムに関連した実験的研究が行われる予定である。
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