研究課題/領域番号 |
04244105
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
並木 美喜雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063288)
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研究分担者 |
室谷 心 徳山女子短期大学, 経営情報学科, 講師 (70239557)
大竹 淑恵 筑波工業高専, 電子情報工学科, 講師 (50216777)
中里 弘道 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00180266)
小林 庸浩 筑波大学, 物理系, 講師 (10015810)
大場 一郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063695)
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キーワード | 観測問題 / 観測理論 / 量子力学 / 波束の収縮 / 超令中性子 |
研究概要 |
本研究の主目的は観測・測定過程と干渉現象を一つの現象の両極端と考える立場から、詳細な理論的解析を行うところにある。具体的には、測定過程の場合の検出器及び干渉現象の場合の位相器や吸収物と入射中性子との相互作用に対する理論的モデルを考え、位相相関の喪失すなわち、測定による「波束の収縮」の度合いを定量的に判定するオーダーパラメーター(秩序変数)を計算することである。 本年度の具体的研究目的は、前年度から続いている検出器モデルを導入した大規模数値計算にあったが、その大部分はすでに論文としてまとめて雑誌(Phys. Rev. A)に投稿した。さらに、吸収効果を入れた数値計算は現在実行中である。前年度報告に予告した量子ゼノン効果についての理論研究はBaltimore会議報告とPhys. Rev.誌に掲載され、さらに同効果への不確定性関係の影響を分析した論文がPhys. Lett.誌とTaiyuan会議に報告された。量子ゼノン効果は不安定量子系の時間的発展と密接な関係があるが、その分析がPhys. Rev. Lett.誌に掲載された。現在総合報告を準備中である。高エネルギー核反応におけるクォーク・グルオンの研究、とくに大規模な数値計算は現在も続行中である。確率過程量子化の「底無し系」への応用については、モスクワのA.Kirillov氏との共同研究が進行中であり、近く論文としてまとめる予定である。なお、同量子化法における不確定性関係の立ち上がりを分析してTaiyuan会議に報告した。前年度中間報告に述べたカオスをもつ小数自由度系による位相相関の喪失とそれを利用した検出器の可能性については、現在研究を続行中である。
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