研究課題/領域番号 |
04244106
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
吉城 肇 茨城大学, 工学部, 教授 (40044771)
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研究分担者 |
北垣 敏男 東北大学, 理学部, 名誉教授 (00004234)
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
宇津呂 雄彦 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027421)
苅田 幸雄 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (10044744)
平林 洋美 高エネルギー物理学研究所, 教授 (90013383)
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キーワード | 超冷中性子 / 中性子寿命 / 中性子検出器 / 半導体検出器 / 冷凍器 |
研究概要 |
(1)管経80mmの長尺円筒容器中に於ける超流動ヘリウムの熱移送-超流動ヘリウムによる超冷中性子発生を全立体角法で行う場合核発熱の熱移送の問題が起こって來る。このため現在のクライオスタットMark3000の一端に熱負荷を与え、両端の温度差を測定することにより実際に求めた。またその伝導度の温度依存性も求められ、0.5K時に200W/K.cmであることが示され、0.7Kではその十倍になると外挿され3Wの核発熱は十分に除去できることが示された。(2)超流動ヘリウム発生装置に重力加速管を設置した場合の超冷中性子収量に関するモンテカルロ計算-期待される収量より実験に於けるUCNの収量が約1%であった一つの理由が示された。それによると現在使用しているヘリウム容器内での超冷中性子の滞在寿命が短いこと及びその表面の粗さが大きいものとされる。例として超冷中性子寿命を7.5secとし一回の反射あたりの拡散反射確率50%として見ると検出器に致達する確率は0.7%となり大体一致する。しかもこの計算では検出器で観察された寿命は見かけの寿命であり真の寿命を7.5secと設定しておいても表面の粗さによって見かけの寿命が長くなることが示された。(3)極低温中で作動する超冷中性子検出器の開発-現在世界に存在する超冷中性子検出器はヘリウム3のガス比例計数またはイオン検出器蚤である。これは常温で使うように設計されているが東北大学を中心とするグループによりLi6(n,alpha)tのalphaとtを測定する事によりシリコンダイオードを利用してこれが低温領域でも行われた。結果はtとalphaをはっきり分解するスペクトラムを得た。(4)ヘリウム冷凍器によるヘリウム使用量抑制の実験-稼動中のMark3000のヘリウムの使用量はトランスファーロスも含めて5.3リットル/時徒なっていたが住友のSRJ-2008-1により4.3Kで8Wの冷凍能力があることが実証され0.114MPaにおいて液の減少がなくなったことが実証された。これによってヘリウムの消費は事実上零になることが示された。
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