研究分担者 |
酒井 健二 東京工業大学, 理学部, 助手 (40272661)
藤井 佳子 岡山理科大学, 理学部, 教授 (20159122)
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
増田 康博 高エネルギー物理学研究所, ブースター利用施設, 助手 (60150009)
苅田 幸雄 高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 助教授 (10044744)
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研究概要 |
実験と測定関係:超流動ヘリウムによるUCNの発生は中性子のedm測定に必要なものである。この事実は次第に内外(特に欧米)で認識されつつある。この世界的認識の変化が本年ではとくに顕著であった。edm測定の場合UCNが偏極していることがが要請されるがUCNを偏極するのにいくつかの方法がある。超流動ヘリウム法によれば親になる冷中性子が偏極していれば発生したUCNも偏極していなければならない。この事実をテストする実験が昨年より引き続いて行われた。セッタップとして偏極冷中性子の発生に京都大学で進められた強磁性体鏡面からの反射による方法が採用された。しかし偏極値向上に留意し過ぎた結果発生した偏極冷中性子の数は検出可能なレベルのUCNを発生させるには極めて微弱で、限られた運転時間内でははっきりした結論を得ることは次のランに繰り越された。 edm測定装置の開発、製作:Mark3001のCoolingTowerIの製作は完了し、予期された試験結果を得ることが出来た。edm測定装置の核心にあたる安定均一の低磁場を発生するRamseyBlockの組立は終わり電気回路試験も終了し、現在CoolingTowerIIとのドッキング時点まで到達した。続いて冷却試験が行われる。試験は高エネルギー研究所の敷地内で行われる。edm測定を極低温で行うのは世界でこの実験のみであり、しかも磁場の励起に超伝導永久電流を用いられ高電圧は液体ヘリウム中でかけられるのでその安定性が期待され世界から注目をあびている。 論文、講演:久しく解析中だった冷中性子の超流動ヘリウム中の全断面積の結果がJournal of Low Temerature Physics,107(1997)305に発表されれた。更に詳細な結果が博士論文として公表された("Transmission of Slow Neutorns(8-15A)through Superflluid Liquid Helium"茨城大学工学部・黄斐増)これをたたき台にして更に論文が用意されつつある。また"The Superthermal UCN Production Machine(Proceedings of "Baryon Instability"Workshop,March,1996,Oak Ridge(Ed.Ball and Kamyshkov)","The Ultracold Neutron-A New Entry in the Elementary Particle Physics(Proceedings of the 25th INS conference,Dec.,1996,Tokyo)","EDM at KEK(neutron EDM measurement workshop,March,1997,Los Alamos)"を始めとする講演と寄稿がなされた。
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