研究課題/領域番号 |
04245105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027386)
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研究分担者 |
梁 成吉 筑波大学, 物理学系, 教授 (70201118)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理学研究科, 教授 (90022673)
伊達 悦郎 大阪大学, 理学部, 教授 (00107062)
神保 道夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80109082)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
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キーワード | イジング模型 / 超対称性 / サイン・ゴルドン理論 / Macdonald多項式 / モノドロミ-保存変形 / パンルベVI型方程式 / XXZ模型 / QKZ方程式 |
研究概要 |
伊達は、Onsagerによりイジング模型の研究に際して導入された無限次元代数を生成元の一次関係式で生成されるイデアルで割って得られる代数の構造を調べた。このような一次関係式は有限の大きさの格子模型を考える場合に自然に現れる。特に一次関係式が退化した場合について計算を実行した。 稲見は、超対称なサイン・ゴルドン理論を境界がある場合へ拡張し、可積分性と超対称性を保つような境界上の相互作用を求めた。また有質量Thirring模型とO(N)Gross-Neveu模型について、可積分な境界ポテンシャルを求めた。 神保と三輪は、U_q(S1_2)のレベル1の表現に同じ代数のレベル0の作用を構成し、Macdonald多項式を用いて後者に関する既約分解を与えた。神保はまた、モノドロミ-保存変形の立場から、パンルベVI型方程式のq差分化を構成し、双線形化・Schlesinger変換を導出した。 神保と三輪は、XXZ模型の相関関数に関し、いわゆるgapless regimeにおいて積分によってQKZ方程式の一つの解を構成し、それが相関関数を記述することを予想し、答が知られている特殊な場合に、それが正しい結果を再現することを検証した。 柏原と三輪は、Petersen,Yungとともに、完全結晶表現から出発してq-変形Fock表現を構成し、ボゾンを用いてそれを既約表現に分解した。更に、ボゾンの変換関係を、頂点作用素を用いて具体的な例について求めた。 増田は、Woronowicz、中神祥臣と共に非コンパクト型量子群のユニタリー表現論の一般論に関する研究を行ない、量子運動群E_q(2)に応用した。野海は、杉谷哲也と共に、古典型のコンパクトリーマン対称空間のすべてについて、標準的な量子化の構成と帯球函数の決定を完成した。また、古典型Macdonald多項式の拡張である多変数Askey--Wilson多項式の場合に、アフィンHecke環の表現を用いてDunkl作用素の具体的な構成を行った。 梁は、江口、堀と共に位相的CP^1模型の行列積分表示を詳細に解析し、その可積分構造を明らかにし、それによりLandau-Ginzburg型模型として定式化できることを示した。また、伊藤と共にN=2超対称SU(2)QCDのクーロン相における低エネルギー有効作用(プレポテンシャル)をPicard-Fuchs方程式の方法により厳密に求めた。
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