研究課題/領域番号 |
04245108
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上野 健爾 京都大学, 理学部, 教授 (40011655)
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研究分担者 |
土屋 昭博 名古屋学, 理学部, 教授 (90022673)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
伊達 悦朗 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00107062)
河野 俊丈 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (80144111)
松本 尭生 広島大学, 理学部, 教授 (50025467)
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キーワード | 可解格子模型 / 量子群 / 共形場理論 / 3・4次元多様体 / 可積分系 / 位相的場の理論 / 写像類群 / 数論幾何学 |
研究概要 |
重点領域研究「無限可積分」の総括班として二つの計画班と密接に連絡を取り、各分野の研究を有機的に行なった。特に今年度は重点領域研究の3年目にあたり、今後重点的に研究すべきテーマを絞り込むことにも意をはかった。本研究は大きなテーマとして可解格子模型、量子群、共形場理論、3・4次元多様体の不変量、可積分系の理論と関係した代数幾何学がある。本年度得られた主要な結果は次の通りである。可解格子模型と関連する研究では三輪、神保を中心とするグループはXXZスピン鎖を研究し、Sklyaninの転送行列を半無限鎖で対角化することを試み、境界のS行列を決定し、また境界の自発磁化などの量を閉じた形で表示することに成功した。また伊達のグループはOnsager代数の構造、表現について調べた。量子群に関しては野海のグループは量子対称空間u(n)/SO(n),U(2n)/Sp(2n)を構成し、その帯球函数を考察することにより、A_<n-1>型Macdonald多項式を表現論的に構成した。増田のグループは非コンパクト量子群SU_q(1,1)を研究した。共形場理論に関しては、江口、梁のグループは位相的場の理論を研究し、A-D-E型以外の位相的ミニマル模型は種数が1を越えると整合性を失うことを指摘し、さらに位相的射影直線模型を考察し、模型が戸田ヒエラルキーで支配されること、分配函数が行列モデルの積分で表示できることを示した。3・4次元多様体の不変量に関しては河野は結び目全体のなす空間のドラーム複体を考察し、松本は結び目とカテゴリーの関係を明確にし、村上はキャソン不変量を量子不変量で書き表す方法を与えた。また、森田はリーマン面の写像類群の構造を調べ、深谷は位相場の理論をモ-ス理論の立場から再構成した。可積分系の理論と関係した代数幾何学では上野、清水のグループは共形場理論の数論幾何学的構造を考察し、桂のグループは鏡対称性と関連して量子コホモロジー環を考察した。
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