研究概要 |
上記課題を次の5つの方向で実施した。1.8一頂点模型および高種数の曲線に結びついた新しい差分方程式系について2.超幾何関数の合流を説明する一般的手続きについて3.2次元イジングパーコレーション混合性について4.(3,6)型超幾何系のモノドロミーおよび局所構造について5.代何幾何,代数解析のための計算アルゴリズムについて。それぞれ次のことも明らかにした。1.ヤン・バクスターの方程式の解を使って定義される多くの模型の相関関数がある種の差分方程式を満たすとことに気づき,8一頂点模型の1点関数がこの方程式をとくことにより得られること,カイラルポット模型の相関関数は従来のq差分方程式の高種数代数曲線への 拡張された方程式をみたしていることを示した。2.ゲリファント型超幾何関数の合流の方法をリ一環的視点かり明らかにし,既知の最も簡単な場合においても新しい知見を与えた。3.2次元および高次元インジング模型について,そのギッブス分布が臨界点上で条件付き混合性を持つこと,その混合係数が指数的に減少することを示し,*-パーコレーションの発生について新しい結果をみちびいた。4.グラースマン多様体G(k,n)に付随した超幾何微分方程式系のモノドロミーをk=2の場合を元にして代数的に求める方法を与え,その結果をk=3,n=6に応用して,代数関数解をもつ群を決定した。ある持黒点の近くでの基本解の級数による表示に 成功した。5.非可換上の代数的演算に適した計算機言語を開発し,得られたシステムによって微分方程式,差分方程式の様々の実験的研究が可能となり,実用に供した。
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