研究分担者 |
北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)
穂積 本男 埼玉がんセンター, 研究所, 所長 (50113478)
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
溝口 秀明 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70049021)
高久 史麿 国立病院医療センター, 院長 (40048955)
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研究概要 |
全体の研究目標と研究組織 造血細胞は,その親である造血幹細胞が造血因子の作用下に分化増殖して作られるが、広く細胞の分化と増殖に関し重要な示唆を与え,又その成果は難治の血液疾患の診断と治療に広く応用される。この調節機構の分子レベルでの解明を目的として,以下の計画研究班を組織した。 1)血液細胞産生の調節に関する基礎的解析-幹細胞の濃縮・純化とその機能の解析- 2)造血因子の構造と作用の分子生物学的考察と生体内作用 3)正常造血幹細胞,造血因子と造血器腫瘍との比較相互関係 4)造血細胞支持細胞の役割とその物質的基盤 2.研究成果の概要と目標達成度 1)細胞分離装置とモノクロナル抗体の活用によって造血幹細胞の濃縮純化がほぼ完成し,それによる未分化幹細胞自体の特性が検討された。 2)造血因子の精製・純化,クローン化受容体遺伝子と独特の分子配列をもつ受容体ファミリーの発見,受容体に2つのサブユニットがあり,ヘテロまたはモノダイマーを形成してシグナル伝達がおこること,第2サブユニットを複数のサイトカインが共有する場合のあること等がわかり,シグナル伝達についての解析も進行した。 3)1)2)の成果との連係によって研究が進められ,白血病の分化誘導,増殖機構についてc-myc遺伝子,糖脂質等の関与をはじめとする,新しい分化誘導分子の研究が進められた。 4)造血支持細胞については,c-kit/stem cell factorの解析,幹細胞、支持細胞に発現する接着分子や糖蛋白と分化についての解析が進んだ。 以上,申請当初の目標を概ね達成し,目標を上回る成果が得られた。研究期間終了後平成5年度には,研究成果をまとめ約300ページの冊子体報告書を作成した。
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