研究課題/領域番号 |
04247212
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
池原 進 関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)
|
研究分担者 |
比舎 比子 関西医科大学, 医学部, 助手 (90151422)
土岐 純子 関西医科大学, 医学部, 助手 (40077681)
長田 憲和 関西医科大学, 医学部, 講師 (40155940)
安水 良知 関西医科大学, 医学部, 講師 (00142753)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (70115947)
|
キーワード | 造血幹細胞 / 胸腺 / ヌードマウス / SCIDマウス / 胸腺リンパ腫 / 免疫学的寛容 / 自己免疫マウス |
研究概要 |
当教室で新しく開発したin vitroで造血幹細胞(HSC_s)よりT細胞の分化を誘導するassay systemを用いて、次のような事実が明らかになった。i)正常マウスのHSC_sとfetal thymusの種々の組合せでT細胞の分化誘導を解析した結果、T細胞のdeletionは、thymusの上皮細胞ではなくて、HSC_sのgenotypeによって決定される。ii)自己免疫患自然発症モデル動物MRL/lprマウスのHSC_s並びにfetalthymusと正常マウスのHSC_sとfetal thymusの相互の組合せでT細胞の分化誘導、deletion patternをVβ6、Vβ8、Vβ11で解析した結果、いかなる組合せでもaberrant T cellsの分化誘導は、認められなかった。自己免疫マウスのabnormal HSC_sを用いても、in vitroでは正常のfetal thymus、自己免疫疾患マウスのfetal thymusいずれもT細胞の分化が誘導され、Vβ6、Vβ8、Vβ11でのdeletion patternにも異常が認められなかったが、in vivoでは、自己免疫マウスの胸腺は、著名な萎縮と胸腺内へのmatureなT細胞やplasma cellsの浸潤が見られることから、in vivoでは、autoreactiveなT細胞が分化し、胸腺にもGVH様の反応を起こすものと考えられる。今后、このGVH様の反応を示すautoreactive clonesの検出方法の開発が重要と思われる。 さらに、in vitroで誘導したT細胞をヌードマウス、SCIDマウスに移植して、末梢でのT細胞の成熟、分化とtoleranceを解析したが、末梢でのT細胞のdeletionは、Vβ6、Vβ8、Vβ11で解析する限り、確認できなかった。但し、SCIDマウスに、in vitroでC57BK/6JマウスのHSC_sを加えてcultreしたBALB/cマウスのfetal thymusを移植した所、急所GVHが発症した。C57BL/6Jのfetal thymusをcultureしないで放射線も照射せずに移植すると、thymic lymphomaが高率に発症した。リンパ腫のphenotypeはThy-1^+CD3^<-〜low>、double-negative and/orCD8^+であり、いわゆるtransitional stageの細胞群と考えられた。現在、thymic lymphomaの発症機序を解析中である。
|