1.Aic-2AおよびAic-2Bにそれぞれ特異的なモノクローナル抗体を用いて、様々な条件で免疫沈澱を行った。マウス肥満細胞前盗駆細胞株IC2はIL-3およびGM-CSFに反応して増殖するが、IC2細胞の表層タンパク質を^<125>Iで標識し、タンパク質の相互作用に影響を与えにくい界面活性剤ジギトニン存在下に免疫沈澱を行った。Aic-2Aに特異的な抗体HAは分子量120K(Aic-2A)・63(IL-3受容体α鎖)および50Kのタンパク質を、Aic-2Bに特異的な抗体HBは分子量130K(Aic-2B)・75K(GM-CSF受容体α鎖)および50Kタンパク質をそれぞれ免疫沈澱した。これらの結果は、既に明らかになっているα鎖とβ鎖(Aic-2)以外にIL-3レセプターとGM-CSレセプターに共通の第3の構成タンパク質(50K)の存在を示唆している。 2.IL-3刺激によってAic-2A抗原と一緒にダウンレギュレートする膜蛋白質に対するモノクローナル抗体を調製した。この抗体が認識する分子は104Kの分子量をもち、IL-3受容体のシグナル伝達にかかわる分子と考えられる。 3.IL-3受容体のβ鎖(Aic-2抗原)の発現が低いトランスジェニックマウスをアンチセンスRNAを発現させることによって作成することを試みてきた。これまでに、4種類のアンチセンスRNAを発現するトランスジェニックマウスを得て、解析を継続している。
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