研究分担者 |
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
小川 聡 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90124940)
渡部 良夫 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (70084572)
穎原 嗣尚 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50037446)
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80014281)
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研究概要 |
1.シリコンラバーに培養したラット心室筋細胞にfura2を負荷し、0.5Hzで電気刺激しながら10〜30%の機械的伸展を加えた際の細胞内Ca^<2+>濃度の変化を観察した。伸展により拡張期[Ca^<2+>]_iは急速かつ著明に増加し、その後軽度の増加を維持した。初期の増加はgallopamil,ryanodineで変化なくgadoliniumによって阻止されるので伸展誘発イオンチャネルの活性化によると考えられる。後期の増加はこれ以外の機序による。2.モルモット心室筋細胞から得た内側外面型パッチでI_<K,ATP>チャネルのランダウンの機序を調ベた。Mg-ATPはランダウンを回復させるが、これはチャネルのリン酸化によるものではないこと,またトリプシンやカルボキシペプムダーゼ処理によってランダウンが阻止できることからチャネル蛋白のC末端がランダウン発現に必要であることが判明した。3.モルモット心室筋細胞にダブルパッチ法を適用し,_<c->AMP依存性クロライドチャネルの性質を検討した。その結果,_<c->AMP-PKA系はチャネルを燐酸化し、これをavailableな状態にすることにより電流を増加するが,チャネル自身のキネティクスには影響を与えないこと,さらにこの電流は外向き整流特性を有することが判明した。4.家兎洞結節微小標本を用い,外液Ca^<2+>濃度増加による。異常自動能の発生に,SRからのCa^<2+>放出(ryanodine感受性)が重要であることを明らかにした。5.心筋梗塞犬を用い心筋線維に平行(L伝導)および垂直な伝導(T伝導)に対する交感神経刺激(ST),ノルアドレナリン(NA)投与の効果をみた。L伝導はST,NAとも変化なかったが,T伝導はNAで増加した。また局所的伝導ブロックがNAにより消失したが,これは必ずしも不整脈誘発性の改善には結びつかなかった。6.カエル心房標本を相補的な波長依存性スペクトルを有する膜電位感受性色素のペア(NK2761とWW781)で染め分け,興奮伝播の三次元マッピングを行う実験にはじめて成功した。今後の応用が期待される。
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