研究分担者 |
鈴木 義之 (財)東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (90010389)
別府 輝彦 東京大学, 農学部, 教授 (80011873)
村松 喬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00030891)
成松 久 創価大学, 生命科学研究所, 教授 (40129581)
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
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研究概要 |
N-グリコリルノイラミン酸(NeuGu)の発現を律速制御するCMP-NeuAc水酸化反応が3つの因子により行われ,基質を認識する酵素は約60Kの蛋白であり,この活性の発現は始めて同定された遺伝子(Gsl-8)により支配されることが明らかになった.糖転移酵素の誘導の機序が解析され,腎細胞癌培養細胞で,EGFは蛋白合成依存的にGal-CerおよびLac-Cerを基質とする硫酸転移酵素を2.5倍に上昇させた.レチノイン酸によるF9細胞の分化誘導4日目にβ1-4Gal転移酵素mRNA量が10倍になる事が明らかになり,この増加はde novoの合成のためではなく,mRNAの安定化が原因であると考えられた.α1-3Gal転移酵素の及び,α1-3,4Fuc転移酵素のcDNAをマウス受精卵に導入して,トランスジェニックマウスを作製した.遺伝子導入により生成されたGalα1-3Galの構造は胚,成体では視細胞,精巣,腎臓に認められ,胚発生には大きな影響はなく,体型の小型化,腎機能障害が認められた.シアリルルイス-X抗原高発現ヒト大腸癌細胞はマウスの類洞内皮細胞との接着性が高く,その接着性は0-結合型の抗原糖鎖を介して行われていることが明らかになった.2個所にN-結合型糖鎖を持つムコールレンニンの糖鎖異常変異体かび(Mucor pusillus)を分離し,その変異がリピド中間体の糖鎖異常にある可能性が示された.β-ガラクトシダーゼ欠損症の遺伝子変異を解析し,13の異なった変異が確認され,病態の異なる乳児型および成人型GM1ガングリオシドーシス,モルキオB病で対応する特徴と変異がある事が明らかになった.ガラクトシアリドーシスの剖検組織について,ガングリオシドの分析を行い,神経組織で特に,GM3とGM2が最も著しく増加し,GM1とGD1aの増加も検出できた.GM2以外の増加は分解酵素活性の低下で理解される.ラット腎臓の細胞質からシアリダーゼを精製し,ペプチドのアミノ酸配列からcDNAをクローニングし,1.6Kbのほぼ全長に近いクローンを得た.
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