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1992 年度 実績報告書

新しいG1.G2期特異的細胞周期阻害剤の探索とそれを用いた増殖制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04253209
研究機関東京大学

研究代表者

別府 輝彦  東京大学, 農学部, 教授 (80011873)

研究分担者 吉田 稔  東京大学, 農学部, 助手 (80191617)
堀之内 末治  東京大学, 農学部, 助教授 (80143410)
キーワード細胞周期 / がん遺伝子 / チロシンキナーゼ / 染色体高次構造
研究概要

1.ラディシコールによる各種トランスフォーム細胞の形態正常化 ラディシコールはフローサイトメトリーを用いた新しい細胞周期阻害剤のスクリーニングの過程でG1,G2期の進行を阻害する物質として咋年度我々が単離・同定した物質であり、srcでトランスフォームした細胞の形態を正常に復帰させることから、その作用機構をsrcチロシンキナーゼの阻害である可能性が考えられた。そこで精製したp60v-srcに対する作用を調べたところ、0.1μg/mlという低濃度で阻害することが判明した。一方、セリン・スレオニン型キナーゼであるPKA、PKCに対しては阻害作用を示さなかった。つぎに別のがん遺伝子でトランスフォームした各種細胞に対する効果を観察したところ、予想外にもras、raf、fosやSV40などチロシンキナーゼとは無関係な多種のトランスフォーム細胞に対しても形態を正常化し、細胞内のアクチンケーブルを再形成させた。しかもこの効果はsrcトランスフォーム細胞の場合と異なり、シクロヘキシミドの共存によって抑制された。すなわち、ラディシコールは内在性のsrc型チロシンキナーゼを阻害することによって新たな遺伝子の発現を誘導し、それによって細胞形態を正常化させていることが示唆された。
2.レプトマイシンB(LMB)の標的分子と分裂酵母crml遺伝子 新規細胞周期阻害剤LMBの作用機構を明らかにする目的でLMB耐性の分裂酵母を分離し、その耐性遺伝子の解析を行なったところ、1989年に柳田らによって染色体高次構造の維持に関わる核蛋白をコードする遺伝子として報告されたcrml^+の変異遺伝子であることが判明した。そこで改めて低温感受性のcrml変異株の制限温度での形質とLMB処理した野生株の形質とを比較したところ、全ての形質が一致していたことからLMBの標的分子がcrml^+遺伝子産物であることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Nishi: "A leptomycin B resistance gene of Schizosaccharomyces pombe encodes a protein similar to the mammalian P-glycoproteins." Mol.Microbiol.6. 761-769 (1992)

  • [文献書誌] H.Sasaki: "Leptomycin B-induced fixation of X-ray-related potentially lethal damage." Rediat.Res.129. 163-170 (1992)

  • [文献書誌] H.J.Kwon: "Radicicol,an agent inducing the reversal of transformed phenotypes of src-transformed fibroblasts." Biosci.Biotech.Biochem.56. 538-539 (1992)

  • [文献書誌] H.J.Kwon: "Potent and specific inhibition of p60v-src protein kinase both in vivo and in by radicicol." Cancer Res.52. 6926-6930 (1992)

  • [文献書誌] S.Ikegami: "Accumulation of multiacetylated forms of histones by trichostatin A and its developmental consequences in early starfish embryos." Roux's Arch.Dev.Biol.

  • [文献書誌] K.Abe: "Leptolstatin from Streptomyces sp.SAM1595,a new gap phase-specific inhibitor of the mammalian cell cycle. I.Screening,txaonomy,purification and biological activities." J.Antibiotics.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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