研究課題/領域番号 |
04253210
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
首藤 紘一 東京大学, 薬学部, 教授 (50012612)
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研究分担者 |
影近 弘之 東京大学, 薬学部, 助手 (20177348)
大和田 智彦 東京大学, 薬学部, 助手 (20177025)
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キーワード | レチノイド / レチノイン酸 / 制ガン剤 / レチノイドレセプター / HL-60細胞 / 構造活性相関 |
研究概要 |
レチノイドを疾患の治療、とくに癌の治療に役立たせるための研究として、レセプターに特異的に結合する新しい構造のレチノイドの合成とその生物評価を進めた。 新しい構造のレチノイドとしては、レチノイン酸と、レチノ安息告酸の混合型の構造の化合物を合成した。レチノイン酸の二重結合が、アミドあるいはエステルに置きかえられたもので、その活性は、白血病細胞株HL60の分化誘導作用によって検定した。活性は10^<-7>Mでみられ、レチノイン酸より弱いものであったが、いずれも、体内からの排泄が早く、医薬として好ましい化合物といえる。 レセプター選択性を検討するためにレチノイン酸レセプターのリガン心輸合部位れ大量産生を進めた。結晶化に至る精製には至っていないが、結合試験に用いることができ、現在、条件設定を決定しつつある。 レセプターは結合はするが、活性を示さないレチノイドアンタゴニストを合成した。これらは構造の一部に大きな置換基をもつもので、10^<-7>Mでレセプターの結合する。これらのアンタゴニストはレチノイド過剰症の防止に用いることができると考えている。 従来合成した強力なレチノイドの幾つかをin vivoで作用をみた。ラツト乳ガン細胞の分化と増殖に対する効果は制ガン的作用を示唆するものであった。 レチノイン酸は実際に治療に使われているが、不安定である。その原因である酸・アルカリに対するレチノイン酸の挙動を明らかにした。同時に、これら生成物の構造と活性を解析し、新しい構造のレチノイドの分子の設計に資することができた。
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