研究課題/領域番号 |
04253244
|
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮坂 昌之 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (50064613)
|
研究分担者 |
北村 ふじ子 臨床研, 免疫研究部門, 研究員 (90124453)
反町 典子 臨床研, 免疫研究部門, 研究員 (30217468)
川島 博人 臨床研, 免疫研究部門, 研究員 (50260336)
|
キーワード | LECAM / L-セレクチン / 腫瘍免疫 / 接着分子 |
研究概要 |
ある種の腫瘍細胞は特定の糖鎖(シアリルルイスxやシアリルルイスaなど)を産生、分泌するが、これらは糖鎖を認識する接着分子群であるLECAM(セレクチン)分子群のリガンドそのものであることが知られている。LECAM分子群は白血球の局所への遊走に関与する分子群であることから、これらの糖鎖が抗腫瘍エフェクター細胞の局所へのホーミングが妨げる可能性が示唆されている。本研究ではLECAM分子群、特にリンパ球のホーミングレセプターといわれてきたLECAM-1の生理的意義、悪性腫瘍の転移および腫瘍に対するエフェクター細胞の局所への移動における意義を明らかにすることを試みた。その結果、LECAM-1分子は、白血球が血管外に移動する際におこなうrolling現象を直接的に司どる分子であり、決してリンパ球のみが用いる分子ではないということが明らかになった。また、LECAM-1のリガンドも予想されたよりはかなり広汎に発現されていることが明らかになった。そして、これらの分子はある種の炎症細胞浸潤においては直接的に細胞浸潤の標的となりうることが示された。腎における例がそれである。ここで興味深い事実は、腎癌はLAK療法に反応しやすい腫瘍として知られることである。一つの可能性は、腎におけるLECAM-1のリガンドがLAKエフェクター細胞の標的となり、腎にはエフェクター細胞が到達しやすいのかも知れない。今後の実験的証明が必要である。
|