痛みの伝達機構と内因性活性物質

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 04255102
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 大塚 正徳 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013801)
• 研究分担者: 佐藤 昭夫 東京都老人総合研究所, 副所長 (60072980) ; 熊澤 孝朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20022775) ; 中西 重忠 京都大学, 医学部, 教授 (20089105) ; 高倉 公朋 東京女子医科大学, 教授 (90109984)
• キーワード: 痛覚 / 無髄C線維 / 内因性活性物質 / 痛みの伝達機構

研究概要

痛みのメカニズムを解明する目的で発足した本重点領域研究では、痛みを伝える第一次求心性ニューロンのうち、とくに遅い痛みの伝達に関与する細い無髄C線維に焦点をあて、痛みの伝達に関与する内因性活性物質ならびに痛覚の情報伝達機構について、3年間研究に取り組んできた。本年度は最終年度であり、本総括研究班は研究班員の3年間の研究成果をまとめて、本重点領域研究の成果として公表すべく総括した。
1.総括班会議の開催:総括班員による総括班会議を平成6年1月に開催し、これまでの研究活動を総括し、研究成果のまとめ方と公表方法等について話し合った。
2.公開シンポジウムの開催:平成6年1月12日に東京大手町JAホールにおいて、本重点領域研究の研究成果を広く一般に公表するための公開シンポジウムを開催した。総括班員、計画研究班員、公募研究班員、研究協力者の中から、代表して8名が痛みの研究に関する最新の研究成果を発表した。本研究班の班員とその研究協力者、さらに痛みの研究に興味を示す一般の研究者が集まり、活発な意見交換を行った。
3.全体班会議の開催:平成6年1月13日〜1月14日に東京において、総括班、計画研究第1班、第2班、公募研究班の班員全員による全体班会議を行い、各自の研究成果を報告し、3年間の研究の総括を行った。
4.ニュースレターの発行:平成5年度の研究組織および活動計画の予告等について、ニュースレター第4号を平成5年6月に発行した。また公開シンポジウムの抄録、研究班員の平成5年度の研究成果と業績目録をまとめたニュースレター第5号を平成6年2月に発行した。

研究成果

• [文献書誌] Otsuka,M.,Yoshioka,K.: "Neurotransmitter functions of mammalian tachykinins" Physiological Reviews. 73. 229-308 (1993)
• [文献書誌] Mizumura,K.,Sugiura,Y.,Kumazawa,T.: "Spinal termination patterns of canine identified Aδ and C spermatic polymodal receptors traced by intracellular labeling with Phaseolus vulgaris-leucoagglutinin" Journal of Comparative Neurology. 335. 460-468 (1993)
• [文献書誌] Kumazawa,T.,Mizumura,K.,Koda,H.: "Involvement of EP_3 subtype of prostaglandin E receptors in PGE_2-induced enhancement of the bradykinin response of nociceptors." Brain Research. 632. 321-324 (1993)
• [文献書誌] Adachi,T.,Sato,A.,Sato,Y.: "Comparison of effects of morphine and CP-96,345,a substance P antagonist,administered intrathecally on the somatosympathetic reflex discharges in anesthetized rats" Regulatory Peptides. 46. 263-265 (1993)
• [文献書誌] Sato,A.,Sato,Y.,Suzuki,A.,Uchida,S.: "Neural mechanisms of the reflex inhibition and excitation of gastric motility elicited by acupuncture-like stimulation in anesthetized rats" Neuroscience Research. 18. 53-62 (1993)
• [文献書誌] Suzuki,H.,Otsuka,M.: "Isolated CNS preparations for studies on substance P and other neurotransmitters.In“Methods in Neurotransmitter and Neuropeptide Research"" Elsevier Science Publishers,Parvez,S.H.et al.ed., 443-455 (1993)