研究課題/領域番号 |
04255207
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
猪木 令三 大阪大学, 歯学部, 教授 (60028719)
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研究分担者 |
前田 定秋 大阪大学, 歯学部, 助手 (00135732)
米原 典史 大阪大学, 歯学部, 助手 (70124534)
工藤 喜八 大阪大学, 歯学部, 講師 (10028805)
斉藤 喜八 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40110788)
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キーワード | 三叉神経感覚核 / 歯髄刺激 / サブスタンスP / グルタミン酸 / アスパラギン酸 |
研究概要 |
三叉神経系の体性感覚の第一次中継核は主感覚核と脊髄路核から構成され、脊髄路核はさらに三つの亜核、吻側亜核、中間亜核、尾側亜核に分類される。最近の解剖学領域の研究では、歯髄神経には比輔的太い神経線維が存在し、いずれのタイプの線維も尾側亜核を含む三叉神経感覚核に広く投射することを明らかにしている。それ故、本年度は歯牙疾痛に対する三叉神経感覚核で応答性と伝達物質との関連をpush-pull cannula法を用い検討した。実験動物として2.5kg前後の雄性家兎を用いた。HRPを歯髄に注入し三叉神経脊髄路核の各亜核で歯髄神経の密な投射が観察される部位にpush-pull cannulaを挿入し潅流を行い、潅流液中でのサブスタンスP(SP)、酸性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)をラジオイムノアッセイおよび高速液体クロマトグラフィー蛍光検出器により測定した。歯髄刺激により三叉神経主感覚核の背側部では、SP、グルタミン酸、アスパラギン酸の遊離増加が観察された。吻側亜核ではグルタミン酸、アスパラギン酸の遊離は増加したがSPの変動は観察されなかった。尾側亜核浅層領域では、SP遊離の増加およびグルタミン酸、アスパラギン酸の遊離増加傾向が観察された。以上の結果より、三叉神経感覚核の各部位で、歯髄刺激に伴って遊離される伝達物質は一様でないことが示唆された。
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