研究課題/領域番号 |
04255214
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
羽里 忠彦 (財)東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (60109949)
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研究分担者 |
茅 稽二 順天堂大学, 医学部・麻酔科, 教授 (20124969)
島村 眞里子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (00124462)
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キーワード | Spinorphin / 脊髄 / Enkephalin分解酵素阻害物質 |
研究概要 |
痛みの治療に使用されている薬物の受容体が脳に存在していることが明らかにされて以来、内因性モルヒネ物質としてEnkephalin等が脳より発見され副作用のない鎮痛薬として期待されてきた。Enkephalinが中枢系の痛みに如何なる役割を果しているか研究していく過程で、ヒト脳脊髄液中に内因性Enkephalinを調節する低分子の因子が存在している現象をつかんだ。その本体の構造を解明するために、脳膜分画より精製した、それぞれのEnkephalin分解酵素の阻害活性を指標として、探索し、脊髄50Kgよりカラム操作で0.6mg単離し、機器分析により構造Leu-Val-Val-Tyr-Pro-Trp-ThrのSpinorphin(スパイノルフイ)を推定し、合成することに成功した。SpinorphinはそれぞれのEnkephalin分解酵素を強く阻害し、水、有機溶媒に可溶の特性を有している最強のEnkephalin分解酵素阻害物質である。本物質は単独で摘出平滑筋標本を用いた電気刺激収縮を濃度依存的に収縮抑制効果し、脳室内投与により薬理試験でモルヒネと同様の鎮痛活性を発現することを明らかにしている。本年度、Spinorphinが脊髄抽出液、脳脊髄液中でプロテアーゼにより安定であるかをHPLCで検討した。Spinorphinの分解フラグメントを詳細に解析し、それぞれのフラグメントを合成した。 その結果、本物質は本液中でEnkephalinの半減期と比較して5倍以上長い特色のあるペプタイドであることが判明した。更に、脊髄中におけるSpinorphinの代謝酵素はAminopeptidase Mが要として働き、7個のアミノ酸から成るSpinorphinが活性発現に必須で有ることが判明した。本物質は脊髄に高濃度存在し、新しいENK調節因子に可性が考えられた。
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