研究課題/領域番号 |
04260101
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
多田 啓也 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
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研究分担者 |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
勝沼 信彦 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (50035375)
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
松田 一郎 熊本大学, 医学部, 教授 (10000986)
香川 靖雄 自治医科大学, 教授 (30048962)
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キーワード | 単一遺伝病 / 分子生物学 / 細胞生物学 / 遺伝子単離 / 病因変異 / 遺伝子解析 / 遺伝子診断 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
本年度の班構成は総括班員10名、計画班員23名(第I班13名、第II班10名)、公募班員32名からなっている。本研究の目的は最新の研究手法を駆使して遺伝病の予防・治療法の開発を目指すとともに、これらの疾患の分子レベルの究明を通じてヒトにおける遺伝子発現や調節機構の未知の部分を解明することにある。 総括班会議を開き、研究の方針を定める共に、第I班(病因遺伝子の単離と解析)、第II班(疾患発症の分子機構の解明)の合同班会議を平成4年12月14、15日に開催した。病因遺伝子として本年度新たにPit-1遺伝子(下垂体特異的転写因子)、XPAC遺伝子(A群色素性乾皮症の原因遺伝子)、ビリルビンUDPGTcDNA(Gunnラットの病因遺伝子)、weelキナーゼ制御遺伝子などが単離・解析された。更にALDやウエルナー症候群、クラッベ病の原因遺伝子が単離されつつある。ポジショナルクローニングによる病因遺伝子の単離に必須の多型DNAマーカーを多数単離し、世界的に最も密度の高い染色体地図を作成した。遺伝子発現や調節領域の研究はオルニチンカルバミラーゼ遺伝子、チロジナーゼ遺伝子、グロビン遺伝子、ミトコンドリア遺伝子で検討された。胚操作によるヒト疾患モデルの作成の基礎的研究がすすみ、XPAC遺伝子欠損マウス、TTR欠損マウスの樹立に成功した。疾患発症の分子機構の解明はペルオキシソーム病、ミトコンドリア脳筋症、アミノ酸・有機酸代謝異常症、リピドーシス、高コレステロール血症など多岐にわたる疾患で、多数の患者を対象になされ、病因・病態が分子レベルで明らかにされた。更に遺伝子治療のための基礎的研究としてベクターの開発、遺伝子導入法の検討も進んでいる。以上の成果を踏まえて公開シンポジュウムを開催し、活発な討論が行われた。研究班の連携を密にするためNews Letterを発刊した。
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