生体機能における組換えの基本機構

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 04262103
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 小川 英行 大阪大学, 理学部, 教授 (70028207)
• 研究分担者: 城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 助教授 (90171058) ; 柴田 武彦 理化学研究所, 研究者 (70087550) ; 大坪 栄一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10158800) ; 池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775) ; 堀田 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30190218)
• キーワード: 相同的組換え / RecA蛋白質 / ジャイレース依存の組換え / 遺伝子ターゲッティング / 減数分裂期組換え / シャフロン / 部位特異的組換え / トランスポゾン

研究概要

最終年度を迎えた本重点領域研究は、前年度に引き続き、計画研究班として「組換え機構の分子的基礎」と「生理機能の発現と組換え機構」の2班を組織し、更に公募研究12課題を加えてスタートした。先ず、9月4日と5日の両日、第8回「遺伝的組換えとその制御」ワークショップを静岡県函南で主催した。本年は、Dr.Resnick(NIH)、Dr.Zarling(カリホルニア大、サンフランシスコ)、それにDr.Leach(エディンバラ大)が海外から参加したのを始め、本重点領域研究担当者以外も含め100名の参加を得て熱心な討論が繰り広げられた。特にポスター発表は充実していた。また本重点領域研究について国際的視野からの評価と助言を得るため、Dr.Shirleen Roeder(Yale大学)とDr.Stephan West(Imperial Cancer Research Fund研)、Dr.Kiyoshi Mizuuchi(NIH)を招待した。組換え研究のそれぞれの分野でトピックスとなる研究をして世界的に有名な方々である。彼らによる評価は良好であった。1月10日には、本重点研究の成果を公にすることの一環として、研究担当者14名による公開講演会を東京、竹橋会館で開催した。200名に及ぶ参加者で関心の高さが印象的であった。引き続き11日には、合同班会議を同会館で開催し、研究者全員による研究成果についての徹底的な討論を行った。1月10日には竹橋会館で総括班会議を開催して、評価委員の方々による研究の評価をしていただいた。9月27日に幹事会を開き公開構演会、合同班会議の打ち合わせ、将来計画について討論した。ニュースレターを1回、名簿を発行した。

研究成果

• [文献書誌] T.Ogawa,A.Shinohara,A.Nabetani,T.Ikeya,X.Yu,E.H.Egelman and H.Ogawa: "RecA-like Recombination Proteins in Eukarvotes:Functions and structures of RAD 51 Genes" Cold Spring HarborSymp.Quant.Biol.in press.
• [文献書誌] M.Ajimura,S-H.Leem and H.Ogawa: "Identification of new genes required for meiotic recombination in Saccharomyses cerevisiae" Genetics. 133. 51-66 (1993)
• [文献書誌] K.Furukawa and Y.Hotta: "_cDNA cloning of a germ cell specific lamin B_3 from mouse spermatocyte and its functional and ectopic expression in somatic culture cells" EMBO J.12. 97-106 (1993)
• [文献書誌] M.Kumagai,T.Yamashita,M.Honda and H.Ikeda: "Effects of uvsX,uvxY,and DNA topoisomerase on the formation of tandem duplications of the rII gene in bacteriophage T4." Genetics. 135. 255-264 (1993)
• [文献書誌] H.Iwasaki,M.Takahagi,A.Nakata and H.Shinagawa: "Escherchia coli RuvA and RuvB protiens specifically interact with Holliday junctions and promate branch migration" Genes Dev.6. 2214-2220 (1992)
• [文献書誌] T.Furukawa,S.Maruyama,M.Kawaichi and T.Honjo: "The Drosophila homolog of the immunoglobulin recombination signal-binding protein regulates peripheral nervous system development" Cell. 69. 1191-1197 (1992)