研究課題/領域番号 |
04262103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 英行 大阪大学, 理学部, 教授 (70028207)
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研究分担者 |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 助教授 (90171058)
柴田 武彦 理化学研究所, 研究者 (70087550)
大坪 栄一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10158800)
池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775)
堀田 康雄 奈良先端科学技術大学院大学, 教授 (30190218)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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キーワード | 減数分裂期組換え / 非相同組換え / 組換えホットスポット / トランスポゾン転移酵素 / 標的遺伝子破壊 / ホリデ-構造開裂酵素 / DNAヘリカーゼ / 抗体受容体遺伝子再構成 / プラスミドシャフロンのDNA逆位 |
研究概要 |
遺伝的組み換えは単に、後の世代のために備えた遺伝情報の編成替えという役割だけではなく、細胞の種々の機能、例えば形質発現や分化、DNA複製や染色体の分配等でも重要な役割をしていることが明かになってきている。しかも高等生物では取り出した遺伝子を染色体上の元の位置に戻す方法の確立が緊急の課題になっており、組み換え系の解明が切望されている。我々はこのような時期に当たり研究を堅実且つ計画的に進めるために、先ず徹底した基礎研究を行うこととし、その研究目標を(1)組換え機構の分子的基礎、(2)生理機能の発現と組換え機構、の2つに絞った。設定した研究期間内に得られた研究成果のうちで特筆すべきものは次の通りである。1.酵母、ニワトリ、マウス、ヒトのRecA様組換え遺伝子をクローニングすることに成功した。2.RecA蛋白質によって形成される組換え中間対(Holiday構造)の組換え体への移行過程が解明された。3.マウスの雌で働く組換えのホットスポットを発見し解析した。3.2つの画期的研究方法を開発した:(1)大腸菌のrecE経路を利用して、似た塩基配列を持つ遺伝子間で、簡便に、キメラ遺伝子を形成する方法を確立した。(2)高等動植物のゲノム中のDNAの再編成を起こした部分を選択的にクローニングする方法を確立した。4.各種組換え蛋白質の同定と解析がおこなわれた。その中でもDNA鎖の移行反応を行うことのできる出芽酵母STPβの相同遺伝子が分裂酵母から空分離され解析されたこと、ユリのLIM15遺伝子が出芽酵母のDMCIと相同な遺伝子であること、マウスのRBP-Jκ蛋白質は免疫グロブリンやT細胞受容体遺伝子のVDJ組換えのシグナル配列に結合するが、ショウジョウバエの末梢神経系の分化を制御している。Su(H)遺伝子と相同であることが明かにされたことは、大きな成果である。これらの成果によって今後高等真核生物に於ける組換えの研究は一気に加速すると考えられる。
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