研究課題/領域番号 |
04264103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 統 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70012482)
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研究分担者 |
山村 則男 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (70124815)
藤島 政博 山口大学, 理学部, 教授 (40127783)
松本 忠夫 東京大学, 教養学部, 教授 (90106609)
庄野 邦彦 東京大学, 教養学部, 教授 (60050457)
山岡 郁雄 山口大学, 理学部, 教授 (30034705)
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キーワード | アミノ酸利用系 / 共生体置換 / nodD遺伝子 / 大核内共生細菌 / 腸内共生原虫 / クラスター分析 / 寄生から共生へのモデル |
研究概要 |
1.アブラムシ科の昆虫のもつ共生体は単系統群に属し、代々垂直感染のみをくり返すことによって、ホストの多様化と平行して自らも多様化した証拠がある。しかし、ツノアブラ族のアブラムシだけは細胞内共生体をもたず、替りに脂肪体の細胞間に酵母様の真核性共生体をもつことが明かになった。この結果は、この族の多様化に先立って共生体の置換がおこったことを示すものと思われる。 2.ゾウリムシの大核内共生細菌ホロスポラの増殖型の分裂と感染型分化の調節について調べたところ、増殖型の二分裂には、自分の合成するタンパク質の他に、宿主の合成する特異的タンパク質が必要であることが明かになった。 3.根粒菌の宿主特異性について検討したところ、nodD遺伝子が各植物の特異的なフラボノイドを認識できるような分子進化をたどりつつあることが明かになった。 4.日本産ヤマトシロアリ属の原生動物相の変異を全国84コロニーについてクラスター分析した結果、これらが大きく2つの群に分かれることが明かになった。 5.下等シロアリの腸内共生原虫の代謝産物の一部は、腸内に共生するメタン細菌によって巧妙に利用されており、それらの細菌は原虫に共生している場合とシロアリの腸壁に付着している場合があり、主体は後者であるらしいことが明かになった。 6.繁殖適応度を念頭においた数理モデルの構築によって、異種生物間の関係が寄生から相利共生へ移行する条件について考察し、このような移行が可能になるための条件をいくつか指摘した。
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