研究課題/領域番号 |
04266101
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
川喜田 正夫 (財)東京都臨床医学総合研究所, 医化学研究部門, 研究員 (00012740)
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研究分担者 |
山口 明人 千葉大学, 薬学部, 助教授 (60114336)
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 研究員 (00113738)
青島 均 山口大学, 教養部, 教授 (20089907)
水上 茂樹 九州大学, 医学部, 教授 (90037325)
星 猛 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (60004537)
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キーワード | イオン輸送 / 共役物質輸送 / Na^+ / H^+ーアンチポーター / 酸性アミノ酸輸送系 / H^+ヘキソース共輸送 / Na^+ / K^+ーATPase / テトラサイクリン排出タンパク質 |
研究概要 |
細胞の膜系における各種のイオンや溶質の輸送系の調和的な機能発現の分子的基礎の解明を目的として、共役輸送系の実体とそのネットワークについての研究を行い以下の結果を得た。 1.腎刷子縁膜小胞のNa^+/H^+ーアンチポーターについて、可溶化および再構成の実験系を確立し、ペプチド抗体による親和性クロマトグラフィーによって、輸送活性を保持したアンチポーターの精製を進め、アンチポーターの実体が分子量役11万の膜タンパク質であることを明らかにした(川喜田)。 2.末梢好中球および血管内皮細胞におけるNa^+/H^+ーアンポーターの生理的刺激による活性化の機構について研究し、プロテインキナーゼCによるリン酸化がこれに関与することを示唆する結果を得た(水上)。 3.この輸送体はまた、カルモジュリン(CaM)とも結合する。部分欠失タンパク質の解析を通じて、この結合ドメインが輸送体分子のC末端寄りの細胞質ドメインに存在することが明らかになった。CaM結合ドメインを大腸菌中で発現させ、相互作用およびCaMを媒介する制御機構の解析を進めている(重川)。 4.小腸の酸性アミノ酸輸送系における共役について、glu^-の起電性輸送が3Na^+/glu^-共輸送と1K^+逆輸送が連結した特異な複合共役輸送系であることを明らかにし、輸送の化学量論比を確立した(星)。 5.アフリカツメガエル卵母細胞中のH^+/ヘキソース共輸送体mRNAを注入し、電気的応答の測定によって糖輸送を検出する方法を確立した(青島)。 6.BALB/C3T3細胞におけるα3型Na^+/K^+ーATPaseの発現系を確立し、α1型とα3型のイオン親和性の違いについて解析することにより、K^+親和性の違いが両者の酵素型(定常状態における反応中間体)の違いによることを明らかにした(原)。 7.テトラサイクリン排出タンパク質の変異体およびその戻り変異体の解析を通じて多数の機能性残基の同定に成功するとともに、膜貫通ヘリックス1,2,3および7,8,9が輸送チャンネルとして機能的に重要であることを示した(山口)。
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