研究課題/領域番号 |
04267101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 孝雄 東京大学, 医学部(医), 教授 (80127092)
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研究分担者 |
吉川 潮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (40150354)
飯野 正光 東京大学, 医学部(医), 講師 (50133939)
伊藤 誠二 大阪バイオサイエンス研究所, 副部長 (80201325)
山本 長三郎 金沢大学, 医学部, 教授 (50008231)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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キーワード | 長期増強 / アラキドン酸 / PAF / ホスホリパーゼ / カルモジュリン / カルシウム |
研究概要 |
1.長期増強の少なくとも一部が逆行性伝達物質により、維持されていることを示唆する報告は多いが、それらの基礎となるべき分子レベルでの解析は国際的に見ても殆ど進んでいない。本研究班の清水らは海馬の長期増強によりアラキドン酸が放出されることを独自に開発したHPLC/LIF法で初めて確認した。さらに、このメカニズムとしてMAPキナーゼ(清水)、ホスホリパーゼA2(井上)の活性化機構を明らかにした。 2.これらの逆行性情報物質がプレシナプスの終末部で伝達物質放出を促す機序として、PKCεが考えられる。班員の吉川は本酵素を初めて、単離し、抗体を作成し、この結果、PKCεがアラキドン酸で特異的に活性化されること、また、免疫電顕でプレの終末に限局して存在することを明らかにした。PKCがいかなる機構でプレからの伝達物質の放出を促すかが、今後の課題といえよう。 3.カルシウムのプレキニエ細胞や海馬錐体細胞での高分解能の定量法(飯野)、また、ポストのカルシウム依存性の新しい酵素カルモヂュリン依存性蛋白キナーゼIV(藤沢)、また、カルシウムイオンに代わる二価イオン(Ba^<2+>,Sr^<2+>)の機能についても長期増強との関わりが検討された(山本)。また、新しい可塑性のモデルとしてプロスタグランディンと痛覚過敏状態の関わりが明らかとなり、NMDA受容体の関わりが示された(伊藤)。
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