研究課題/領域番号 |
04269101
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
|
研究分担者 |
高橋 秀実 日本医大, 医, 講師 (40221361)
古賀 泰裕 東海大, 医, 教授 (60170221)
服部 俊夫 京都大, ウイルス研, 助教授 (30172935)
|
キーワード | エイズ / 悪性リンパ腫 / 免疫不全 / レトロウイルス / リンパ節 / EBウイルス |
研究概要 |
1.AIDS患者に発生する悪性リンパ腫の細胞特性を前年度に引続き研究し、その細胞膜表面にEBウイルスの産生するオンコ蛋白にLMP-1が普遍的に分布していることを認めた。従来LMP-1は一部の腫瘍細胞表面にのみ発現していると考えられていたが、今回の結果より、LMP-2を標的とした治療を考えることが出来るようになった。また別の蛋白であるLMP-1に対する抗体をも作成し、このLMP-2蛋白もリンパ腫細胞に普遍的に存在していることを証明した。 2.HIV感染者のリンパ節において、HIVに強く感染した胚中心樹状細胞がリンパ節外に流出することを発見した。このことは本細胞がウイルスの伝播者としての役割を果たしうることを示すと考えられる。 3.HIV V3ループに結合する蛋白の精製:HIV高感染株Molt-4より得られたV3グループ結合蛋白を精製し、33KDと32KDの2種の膜蛋白をえており、現在そのアミノ酸配列と生物学的活性を検討中である。 4.マウスの脾からえられた樹状細胞をもちいてHIVのウイルス抗原P18に特異的なキラーT細胞の誘導に成功した。引続き、免疫学的に賦活された細胞を同系動物に移入し、このウイルス蛋白由来のペプチドを免疫系に記憶させる細胞種およびその機構を解析中である。 5.HIVが産出する蛋白GP160が感染細胞を障害することをこれまで報告してきたが、今回それがアポプトーシスであることを示した。またこの機構の発現時におこるCaイオンの動態を研究中である。
|