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1992 年度 実績報告書

ショウジョウバエDNAポリメラーゼεの細胞内での役割

研究課題

研究課題/領域番号 04270211
研究機関大阪大学

研究代表者

杉野 明雄  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90231737)

研究分担者 川崎 泰生  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30243257)
キーワードショウジョウバエ / DNAポリメラーゼ / 染色体DNA複製 / 発生と分化 / PCR / 遺伝子発現
研究概要

本研究では、遺伝学が進んでいるショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を用い、DNAポリメラーゼε遺伝子が高等動物や酵母と同様に存在することを証明し、このポリメラーゼの細胞内での役割を分子遺伝学的に明らかにする。出芽酵母及び分裂酵母DNAポリメラーゼII(ε)触媒活性蛋白の遺伝子間でアミノ酸配列が一致する部分で、別のDNAポリメラーゼ間(I(α)やIII(δ))では保存されていない部分のアミノ酸配列をもとに混合オリゴヌクレオチドを合成した。これらをプライマーとしてショウジョウバエ、カントンS株初期胚より調製した全RNAを鋳型としてcDNA-PCR法によりDNAポリメラーゼε遺伝子の一部を増幅した。このように増幅したDNA断片がショウジョウバエのDNAポリメラーゼε遺伝子の一部であることを大腸菌プラスミド中にクローン化し塩基配列を決定した。こうして得た塩基配列より予想されるアミノ酸配列は出芽・分裂両酵母DNAポリメラーゼII(ε)蛋白のアミノ酸配列に非常に似ていた(DNAポリメラーゼドメイン内では>60%のアミノ酸は三者間で同一であった)。またそれらの配列間では殆どアミノ酸の挿入、欠失なしにアミノ酸配列のアライメントを行なうことができた。これらのことは増幅したDNA断片がショウジョウバエDNAポリメラーゼε遺伝子の一部であることを強く示すものである。この遺伝子はショウジョウバエ染色体の3R94E〜95Bの領域にマップされ、単一の遺伝子であることが強く示唆された。上記のcDNA-PCR法により、この遺伝子のmRNA量を発生・分化の各段階でどのように変化しているかを調べた。この結果より、この遺伝子は発生段階の初期、特に初期胚及びLeavaで発現しており、Pupaやadultでは全然発現していないことが明らかになった。これらの結果は、ショウジョウバエDNAポリメラーゼεは酵母同様、主にDNA複製に関与していると考えて矛盾がない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Alan Morrison,Akio Sugino: "Progress in Nucleic Acid Research and Molecular Biology" Academic Press, 20 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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