研究課題/領域番号 |
04270226
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
山口 政光 愛知県がんセンター, 研究所生物学部, 主任研究員 (00182460)
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研究分担者 |
廣瀬 富美子 愛知県がんセンター, 研究所生物学部, 研究員 (60208882)
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キーワード | ショウジョウバエ / DNA複製関連遺伝子 / 細胞周期 / PCNA / DNAポリメラーゼα / トランスジェニックフライ / 転写調節エレメント / 転写因子 |
研究概要 |
本研究の目的は、DNA複製関連遺伝子の発現が、ショウジョウバエの発生過程で、どの様に調節されているかを個体レベルで理解することであり、また発生における細胞増殖と分化の相関関係を明らかにすることである。本年度の成果は以下のように要約できる。 (1)ショウジョウバエ初期胚細胞周期におけるPCNA(DNA polymeraseδ補助因子)の動態 PCNAは受精後14回目以後の細胞周期においては、S期とG2期には核内に在存するが、M期のprophaseに分解され消失し、次のS期に先だって再び核内に集結してくることを観察した。また、PCNA遺伝子発現調節領域をlacZ遺伝子に連結したプラスミドをX染色体に導入して得たトランスジェニックフライを遺伝的交配によりstring^-(cdc25のホモログ)ホモにすると、全ての細胞が14回目の分裂周期のG2期で停止するが、その状態でもPCNA-lacZがzygoticに発現することを観察した。 (2)ショウジョウバエPCNA及びDNAポリメラーゼα遺伝子に共通な転写調節エレメント(DRE:DNA replication-related element)の個体レベルでの解析 PCNAプロモーターをlacZ遺伝子に融合したPエレメントプラスミドをもとにして、DREに種々の変異を導入したものをもちいて、合計77系統のトランスジェニックフライを新たに樹立した。それらの解析はまだ途上にあるが、DREの機能について興味ある知見が得られつつある。 (3)DREに結合する転写因子DREFの解析 DREFを均一標品にまで精製する方法を確立し、その物理化学的性質の解析からDREFが86Kのポリペプチドの2量体として存在することを明らかにした。現在そのcDNAクローニングをめざしてアミノ酸配列の決定を急いでいる。
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