研究課題/領域番号 |
04272101
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡田 典弘 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60132982)
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研究分担者 |
大澤 省三 名古屋大学, 名誉教授 (10034620)
菊池 洋 三菱化成生命科学研究所(分子生物学), 主任研究員
宮田 隆 京都大学, 理学部(分子進化学), 教授 (20022692)
坂本 健作 東京工業大学, 生命理工学部(分子生物学), 教務職員
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キーワード | レトロポゾン / リジンtRNA / プライマー / 逆転写 / アミノアシルtRNA合成酵素 / RNaseP |
研究概要 |
岡田は、レトロポゾンを用いてサケ科サケ属の6種の系統関係を確定することに成功した。この系統関係は統計的な誤差のない確実な系統関係であると考えられる。リジンtRNAを起源とする5種の異なったレトロポゾンを、アライメントしたところ、それぞれのレトロポゾンは、系統的に離れた動物由来であるにもかかわらず、tRNA非相同領域において良く保存された配列が発見された。さらにこの配列と相補的な配列が、リジンtRNAをプライマーとする幾つかのレトロウイルスのU5領域に見い出された。以上の事実から、tRNAを起源とするレトロポゾンは、レトロウイルスから逆転写の際に生ずるstrong stop DNAが起源であるというモデルを提出する。 坂本は、大腸菌温度感受性の相補性試験によりリランダムの塩基置換を導入したtRNAのidentityの解析法の確立を目指している。dnaY変異株では高温でアルギニンtRNAがほとんど存在せず、AGAコドンの翻訳が阻害されるために、高温での増殖阻害が起こることが明らかになった。 宮田は、アミノアシルtRNA合成酵素のクラスI,クラスIIのグループについては、およそ60残基からなる保存領域のアライメントに基づいて、aaRSの分子系統樹を推定し、それらの分岐パターンについての予備的結果を得た。 菊池は大腸菌RNasePの触媒サブユニットであるM1RNAの遺伝系とその基質となるtRNAの前駆体の遺伝子とを連結し、ひと続きのRNAとして転写されるようなプラスミドを構築し、転写産物の反応について検討したところ、M1RNA-PretRNAの場合には、正常な位置で切断が起こり、この自己切断は低濃度のマグネシウムイオン存在以下でも起こることが明らかになった。
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