研究分担者 |
武藤 裕 東京大学, 理学部, 助手 (30192769)
坂本 博 神戸大学, 理学部, 助教授 (00187048)
西村 一八 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60109262)
志村 令郎 京都大学, 理学部, 教授 (60025426)
横山 茂之 東京大学, 理学部, 教授 (00159229)
|
研究概要 |
スプライシンググループ(志村,坂本) mRNA前駆体のスプライシング過程において,U6snRNAが基質であるmRNA前駆体と直接的な分子間相互作用をしていることを,UVクロスリンク法によって世界ではじめて明かにした。また,ショウジョウバエ体細胞性決定遺伝子における性特異的スプライシングの制御機構に関して,tra遺伝子産物とtra-2遺伝子産物がdsx mRNA前駆体のシス配列に特異的に結合すること,およびこれら2つの産物の間に分子間相互作用が存在することを明かにした。さらに,Sx1遺伝子のスプライシング制御機構が,Sx1雌型産物による負のスプライシング制御によるものであることを明かにした。tRNAグループ(渡辺,西川,河合) Dアームを殆ど欠失したウシミトコンドリアのセリンtRNAについて,唯一の修飾ヌクレオチドであるt^6A(37)の前後の配列を持つRNA断片,およびpt^6Apをそれぞれ有機化学的に調製した。これらを酵素的に連結し,NMRによる構造解析が可能な量のtRNA^<Ser>分子を調製中である。一方,HPLCや元気永動法を駆使して,RNA断片を数mg単位で分離精製する方法について検討するとともに,特にRNAリガーゼによるRNA断片の連結反応の高収率化のための条件検討を行った。NMRグループ(横山,武藤,河合) すでに,大腸菌による ^<15>N標識および酵母による ^<13>C, ^<15>N標識を行い,得られた標識rRNAを酵素的に加水分解し,得られた標識NMPをそれぞれ酵素的にリン酸化することにより,各十数mgの ^<15>N標識GTP,UTP,および各数mgの4種の ^<13>C, ^<15>N標識NTPを調製した。一方,ショウジョウバエの性決定に関するSx1蛋白質のふたつの連続したRNA結合ドメインについて,単独および連続してものの大量発現系の構築を行った。とくにd2ドメインについては,NMRによる測定を行ない構造解析を進めている。
|