研究分担者 |
大野 陸人 京都大学, 理学部, 助手 (80201979)
西川 一八 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60109262)
井上 丹 京都大学, 理学部, 教授
志村 令郎 京都大学, 理学部, 教授 (60025426)
横山 茂之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00159229)
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研究概要 |
1.スプライシング(1)マウスの免疫グロブリンμ鎖(IgM)遺伝子の膜結合型のエキソンM2の中に,その上流のエキソンM1との間のスプライシングを促進する配列があることを発見した.(2)二分子のRNAから構成されるリボザイムによるスプライシングシステムを開発した.(3)mRNAの5'末端のキャップ構造に特異的に結合する分子量80キロダルトンの核蛋白質(NCBP)について,ほぼ全長と思われるcDNAクローンを得た.2.tRNA(1)Dアームを殆ど欠失した牛ミトコンドリアのセリンtRNAについて,in vitroの転写系によって数mgのセリン受容能のあるtRNA分子を得ることに成功した.一方,Tアームを欠失した線虫ミトコンドリアのメチオニンtRNAについては,合成機によって合成した半分子を酵素的に連結することによって構築した.(2)アンチコドン1字目に安定同位体標識ウリジンを持つアンチコドンアームを作成することを目標に,アンチコドンアームの5'側および3'側の配列を持つRNAを合成し,さらに,安定同位体標識pUpを調製した.(3)高度好熱菌のグリシンtRNAを大量に調製し,その塩基配列を決定した.このtRNAの部分分子を用いた解析によって,アンチコドンアームを完全に欠く欠損tRNA分子がグリシン受容能を持つことを明かにした.3.NMR(1)グループ1イントロンの活性部位の配列をもつ[^<13>C,^<15>N]RNAを調製し,そのRNAスペクトルの解析を進めている.(2)立体構造モデリングの結果,二次構造の異なるミトコンドリアのtRNAにおいても,アンチコドンとCCA末端の位置関係が,標準的なtRNAと同じであることが示唆された.(3)ショウジョウバエの性決定を担うオルタナティブ・スプライシングを制御するSxl蛋白質のもつRNA結合ドメインの一つについて,異核種多次元NMRを用いてその立体構造を決定した.
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