研究分担者 |
河合 剛太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70211860)
岡田 典弘 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60132982)
武藤 晃 弘前大学, 理学部, 教授 (80034635)
渡辺 公綱 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134502)
志村 令郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025426)
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研究概要 |
本重点領域研究の目的は,RNA機能の発現機構について,高次構造レベルの解析などの新しい視点から,「機能するRNAの実像」をとらえることである.平成7年度においては,総括班および3つの計画研究班に加えて,21の公募研究を採択し,それぞれが順調に成果を上げた.第1の研究項目である「RNA機能の発現機構」では,本領域研究の中心課題であるスプライシングについて,それに関与するRNA結合タンパク質あるいはRNAヘリケースが種を越えて存在することを明らかにした.また,リボザイムの反応機構やRNA結合タンパク質によるRNAの認識機構についても生化学的およびNMRによる構造レベルの両面において解析が進んでいる.第2の研究項目「RNA新機能の検索」においては,これまでに発見されていた10SaRNAがタンパク質生合成においてtRNAとmRNAの機能を併せ持つまったく新しい機能RNA分子であることを明らかにした.さらに,第3の研究項目である「RNAの起源と進化」においても,tRNA修飾酵素やアミノアシルtRNA合成酵素について進化的に重要な知見が得られている.総括班プロジェクトとしては,昨年度までに完成させた安定同位体標識のための原料供給システムを活用し,グループIイントロン,ハンマーヘッドリボザイムやtRNAなどさまざまなRNAを標識して,NMRによる解析を進めている.NMRによる解析の多くは総括班において設置した600MHz高分解能NMR分光計を含む高次構造解析システムを用い,複数の班員による共同研究として進行している.以上のように,分子生物学から高次構造解析までが連携した研究が着実に進行しており,本領域研究の計画以上の成果が上がっている.
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