抗原に対応した特異抗体の産生反応にはhelper T-cell、macrophage、B-cellの3種類の細胞の相互作用が不可欠である。Mφは抗原提示細胞として、helper T-cellは抗原識別細胞として、両者間の共同作業の結果意来上がったcognate antigenic informationをB-cellに送り込み、抗体蛋白の合成に向けてgene rearrangementが開始されると考えられている。T-cellのもつhelper functionはineact cellでなくとも"RNase sensitive cell extract"が代役を果たすことを捕らえた。helper-T-RNAとMφ-RNAとの間にはantigen-restricted complementarityがあり、RNase抵抗性の2重鎖を形成することが判明した。helper T-cell T-cell RNAはB-cellの核内に選択的に取り込まれたがB-cellの機能分化はrifampicin誘導体(AF/ABDMP)と投与により抑制された。これらの観察結果に則りhelper T-cell RNAの構造を決定し、免疫反応における作用機構を解明することを目指して実験を進めている。 抗原刺激T-RNAおよびMφ-RNAを数種類抽出調整し、液相でのhybridizationを行い、RNaseにより消化後pronase処理、phenol抽出して調製した2重鎖RNAに、RNA-ligaseを用いてpoly-A sequenceを付加してから加熱急冷後、逆転写反応(primer:oligo-dT)を行い、次でterminal Deoxynucletyl transferaseとdCを用いてpoly-dCを添加してから、oligo daおよびoligo dGをprimerとして用いながらRCRにてDNAの増幅を施行。このcDNAの解析を施行中である。本年度中にこの相補性部位の塩基配列の解析を終了し、このDNAをprobeとして用いて非相補性部位の塩基配列も解明することを目指している。これらの作業の中から必然的にMφ-RNAの構造も部分的には判明してくるはずである。特に相補性部位の構造は同時に解明できるはずである。Mφ-RNAの非相補性部位の塩基配列はその後で既知のDNA-probeを用いて解析するよう計画している。
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