研究分担者 |
田中 浄 鳥取大学, 農学部, 教授 (50124350)
竹葉 剛 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (10046500)
西村 幹夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
田中 國介 京都府立大学, 農学部, 教授 (90027194)
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研究概要 |
光合成の損傷と修復の分子機構を,「強光」・「活性酸素」・「高温」の環境要因に重点をおいて解析し,以下の成果を得た。 Synechocystis PCC6803株について,光化学系II反応中心のDlサブユニットをコードするpsbA遺伝子のin vitro random mutagenesisにより,18種類の光耐性株を入手し,Dlタンパク質上のアミノ酸置換と光耐性発現との間の因果関係を解析した。また,Dlタンパク質の損傷・修復サイクルの一つのステップとなる前駆体タンパク質のC-末プロセシングに関与する酵素を純化し,そのアミノ酸配列情報をもとに,この酵素をコードする遺伝子を同定し,その過剰発現と失活の系を開発した。 光呼吸の鍵酵素であるグルタミン酸還元酵素を過剰発現した形質転換タバコを作成し,これが強光に耐性であることを示し,C_33植物の光阻害の回避に光呼吸が決定的な役割を果たしていることを明らかにした。また,光・酸素ストレスを緩和する循環的電子伝達系に関して,Synechocystis PCC6803株から単離したチラコイド膜がNADH脱水素酵素を結合し,この反応に関与していることを明らかにし,また,その反応の分子機構を解析した。更に,活性酸素消去系に関与する,APX,GR,GRX,SOD等の遺伝子構造を各種植物について決定し,タバコやシロイヌナズナに導入されたこれら遺伝子の協調発現や発現抑制の機構を解析し,形質転換植物に関する一般的な問題点を明らかにした。
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