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1992 年度 実績報告書

硝酸イオンによる硝酸同化酵素の発現調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04273204
研究機関千葉大学

研究代表者

中川 弘樹  千葉大学, 園芸学部, 教授 (70009330)

キーワード硝酸イオン / 硝酸環元酵素 / 亜硝酸環元酵素 / 調節遺伝子変異株
研究概要

ホウレンソウ培養細胞にエチルメタンスルホン酸処理を行ない、ClO_3-を含む選択培地を利用してNR欠失変異株を選抜した。その結果、ClO_3-抵抗性を示す12FとI-1の2株が得られた。この2株はNO_3-を含む培地では生育できなかった。また、この2株はNR活性が野生株に比較して極めて低いレベルであったことから、NR欠失変異株であると考えられる。さらに、NR抗体を用いてNRタンパク質量を測定した結果、12FおよびI-1のNRタンパク質は極めて低いレベルであった。次に、NiRの酵素活性量および酵素タンパク質量を測定した。その結果、培地中へのNO_3の添加により12FではNiR活性は増加し、大最活性量は野生株の最大値の約35%に達した。一方I-1のNiR活性は、培地へのNO_3の添加によって増大しなかった。NiRタンパク質量は、培地へのNO_3の添加により12Fでは増大したが、I-1では増大しなかった。
NO_3-を添加した培地での培養0、1及び2日目のホウレンソウ培養細胞から調製した全RNAを用いてノーザンハイブリダイゼーションを行なった。12FのNRmRNA量は、培養0日目に野生株と比較して多量の畜積が観察された。また、12FのNiRmRNAは、培養0日目ではほとん検出されないが、培養日数が進むにつれmRNA量の増大がみとめられた。一方、I-1ではNRmRNA量およびNiRmRNA量ともに極めて低いレベルであった。以上の結果から、12FはNRの構造遺伝子上の変異の生じた構造遺伝子変異株であると推定した。一方、I-1は調節領域に変異の生じた調節遺伝子変異株である可能性が高い。現在までに、高等植物からはNRの調節遺伝子変異株は得られていない。今後、調節遺伝子変異株の可能性の高い、I-1の遺伝子を野生株のそれと比較するなどして、NO_3-によるNRおよびNiRの機能発現を制御する遺伝子の実体を解明していきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N.Shiraishi,H.Nakagawa: "Control by glutamine of the synthesis of nitrate reductase in cultured spinach cells" plant Cell physiol. 36. 727-731 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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