1.Chlamydomonasスーパーンキシドディスムターゼ(SOD)の精製C.reinhardtiiには、従来2種のSODが報告されていたが、われわれは、細胞抽出液をイオン交換クロマトグラフィーにより精製し、電気泳動後の活性染色により、主要な活性バンド4本と、弱いバンド数本を検出した。このアイソザイムの1つを、硫安分画、イオン交換、ヒドロキシアパタイト、ゲルパーミエーションの各クロマトグラフィーにより均一な状態に精製した。これは、Fe-SODであり、N-末端20残基のアミノ酸配列を決定したところE.coli Mn-SODと60%の相同性を示した。 2.SO_2の取込みと光失活 ゼニゴケ培養細胞は20mM KHSO_3とインキュベートしたのち光照射すると光合成系が失活するが、Chlamydomonasは全く失活しなかった。その後の研究により、培養液pHがゼニゴケは約5、Chlamydomonasは約7.5であり、感受性に培養液pHが大きな影響を及ぼすことが判った。 Chlamydomonasは、pH7では20分のインキュベートにより20mM KHSO_3でも光合成が失活しないが、pH4では1mM以下で失活した。失活のKHSO_3濃度に対する関係は飽和型であり、インキューベート時間が長くなると低濃度KHSO_3でも失活が起こった。取り込みのpH依存性より、HSO_3よりもSO_2の形で輸送されている可能性が高いと考えられる。以上の結果より、細胞膜に存在するある輸送体を通してSO_2が輸送され、その細胞内濃度があるレベルに達すると光失活が起こることが示唆里された。
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