研究課題/領域番号 |
04301003
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
森 祖道 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00077893)
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研究分担者 |
島 岩 金沢大学, 文学部, 助教授 (40115580)
奥平 龍二 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30143621)
山崎 元一 国学院大学, 文学部, 教授 (80052140)
杉本 卓洲 金沢大学, 文学部, 教授 (80089218)
前田 惠學 愛知学院大学, 文学部, 教授 (10064784)
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キーワード | 南方上座仏教 / 戒律の伝持と浄化 / ビルマ上座仏教 / 西双版納 / 仏舎利奉祠 / 世界平和パコダ |
研究概要 |
当初の研究計画のうち、今年度は主として以下の研究成果をあげた。 (1)西紀前3世紀にインドよりスリランカに伝来した仏教が、そこで南方上座部として成立した後、ビルマ・タイ・ラオス・カンボジアなどの国に順次展開していった歴史を、戒律の伝持と浄化による教団(サンガ)の確立粛正という視点より概観研究した。そしてスリランカを中心とする長い交流の歴史と相互資助の実体を解明しつつ、南方上座仏教の国境・民族を超えた普遍的側面と、各民族文化の中に受容され変容したエスニックな側面との二面性を探った。 (2)北タイ・ビルマのシャン州・雲南西双版納(Sip Sang Panna)にまたがる地域に現存する上座仏教は、それぞれの国策による国家レベルでのズレを持ちながらも、その反面、民衆レベルでの共通点を求め合う動きがみられる。このような状況を新たに考究した。 (3)わが国には古来、仏舎利信仰の伝統があるが、その宗教文化的基盤の上に、近代以降、特に戦後になって、インド・スリランカ・ビルマ等の国により南方上座仏教系の仏舎利が伝来し奉祠されつつある。その実例は判明したものだけでも百数十にのぼる。そしてその顕著な事例は、日本山妙法寺系の仏舎利塔建立と、第二次大戦中ビルマ戦線で戦った旧軍人たちの戦友慰霊のためのビルマ系仏舎利の奉祠である。これらの事例をわが国における南方上座仏教の展開ととらえ、継続して調査研究した。 (4)同じく南方上座仏教の展開の事例として、上座部系の僧院の建立がある。その最初のケースは、北九州市門司区の世界平和パコダ(ビルマ僧院)であり、この僧院の歴史、現状、将来の課題などについて異(仏教)文化交流の視点より調査研究した。来年度は引き続き、千葉県佐原市のスリランカ仏教センターの調査を実施する。
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