研究課題/領域番号 |
04301009
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河内 十郎 東京大学, 教養学部, 教授 (30083710)
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研究分担者 |
下條 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
鳥居 登志子 日本女子大学, 人間社会学部, 講師 (70060671)
鳥居 修晃 聖心女子大学, 文学部, 教授 (50015012)
河村 満 千葉大学, 医学部, 助手 (20161375)
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キーワード | 先天盲開眼者 / 視覚的定位 / 脳損傷事例 / 純粋失読 / 新生児・乳児 / 空間知覚 / 発達遅滞 |
研究概要 |
(1)開眼受術者・弱視者斑は、先天性白内症の手術を約18年前に受けた開眼者TOMについて、色、形などを短時間提示や遠距離観察の条件でも識別出来るようにするための実践研究を試み、当初は困難だったのが次第に可能な段階に近づきつつある。また先天性角膜被覆症に対する角膜移植を受れた開眼者MOについては、自己鏡映像の定位とその認知に関する実験を試み、これも当初は困難であったものが、次第に可能となってきている。 (2)脳損傷者斑は、漢字に選択的な障害を示す純粋失読患者について、障害がどのレベルにあるのかを検討するために、AVタキストを用いて瞬間提示実験をおこない、複数の要素から成る漢字の場合に、個々の要素は明確に知覚出来ているのに、それらを統合することが出来ないことを明らかにした。また仮名に選択的な障害を示す患者についても瞬間提示実験をおこない、複数の仮名を同時に知覚出来ないことを明らかにした。同様の障害は、発達遅滞斑が接触を続けている先天性読字障害の子供でも認められており、同時知覚を促進する訓練が試みられている。 (3)新生児・乳児斑は、新生児・乳児における両眼視・空間視機能についてこれまでおこなった研究をまとめるとともに、注意機能・図地分化機能について、非侵襲的な心理学的方法を具体的に提案し、公刊した。 また、約1歳齢における乳児と養育者との間のいわゆるジョイント注意(養育者の視線の動きなどを手がかりにして対象に注意を向ける)の現象について、システマティックな実験を継続中である。 (4)発達遅滞班は、18歳の自閉症児の数行動学習に双六ゲームを導入し、さいころの目の即時読み取りが可能になってきている。 また重度の運動障害を伴う遅滞児にたいしては、眼球、手、首の随意運動の高まりを背景とした選択的行動の発現を促している。
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