研究概要 |
本研究は、特殊才能児について,(1)特殊才能児を特定する方法の開発(2)特殊才能児の心身の特性と発達の特徴(3)特殊才能児の教育への提言の3点を中心に心理学的観点から明らかにしていこうとするものである。 本年(平成4年)度は,(1)特殊才能児の定義(2)特殊才能児(特に数学)を特定するための方法の開発(3)特殊才能児の心理的特徴の測定法の開発(4)特殊才能児の生育歴,家族環境等を問う質問紙の作成(4)学校における適応状況を問う質問紙の作成等が目的であった。 現時点までに,特殊才能児に関する概念的定義については,文献研究,予備的研究により様々な観点から討議を行い,研究分担者間の統一が得られた。このことに伴い,特殊才能児を特定するための測定法の開発に着手し,既存の方法(テスト)でカバーできるものはそれらを用い,あるいは,改訂を行い,また,新たな測定法の開発も行った。さらに,概念定義の際の,パーソナリティー(好奇心,集中力,持続力等)的側面も特殊才能の発揮においては極めて重要となってくるという示唆の基,特殊才能に関連したパーソナリティー測定の方法の開発も併せて行った。 これらの方法に基づき,特殊才能児(特に数学)の特定(現在までに40名程度)を行った。そして,これらを対象として,両親,教師について,家庭環境,家族,出生順位,出生前・後の生育歴の特徴,学校における適応状況,及び,教育(学習)上の問題点等,様々な観点から面接調査をおこなった。詳細に付いては,現在,分析中である。
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