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1994 年度 研究成果報告書概要

農村地域における在宅ケアとコミュニティ・ケアに関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 04301014
研究種目

総合研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 勉  東北大学, 文学部, 教授 (10004037)

研究分担者 佐久間 政広  東北学院大学, 教養学部, 助教授 (30187075)
村中 知子  茨城大学, 教養部, 教授 (30091755)
永井 彰  東北大学, 文学部, 助教授 (90207960)
小林 月子  岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00004094)
新妻 二男  岩手大学, 教育学部, 助教授 (80125476)
研究期間 (年度) 1992 – 1994
キーワード在宅ケア / コミュニティ・ケア・システム / 地域医療システム / リーダーとしての医師 / ボランティア活動 / ネットワーキング
研究概要

岩手県沢内村と長野県武石村を主たるフィールドとし、長野県佐久地区や新潟県大和町をも対象地として、在宅ケアとコミュニティ・ケア・システムに関する比較研究を進めた結果、次の7点にわたって新たな知見をえた。1.コミュニティ・ケア・システムにおけるすぐれた医師の存在の不可欠性がいよいよ明らかなった。地域医療に献身する医師の存在がなければ在宅ケアのためのコミュニティ・ケア・システムの展開はありえない。2.医療と福祉のネットワーキングがなければ、コミュニティ・ケア・システムは十全に作動しえないことが判明した。3.在宅ケアのためのコミュニティ・ケア・システムには適性規模があることが、判明した。つまり、一つには、村立診療所に二人の医師と数人の看護婦がいて、午前中は外来を診察し午後は在宅ケアのためにその地域を往診するという体制が不可欠であり、さらには、先端的な中核病院とのネットワークが必要である。4.中核的病院がコミュニティ・ケア・システムのために前提とされるのだが、そうした中核的な病院は、大規模であるだけに、それ自体のシステム維持の問題に直面していることが、判明した。大規模な病院の存立維持というこの問題は、現行の医療体制そのもののかかえる諸問題の集中的表現であるとみなされてよい。5.家族内介護をおこなっている女性の過剰負担がいよいよ明らかになった。6.コミュニティ・ケア・システムにおいてはボランティア活動が不可欠なのだが、それには本来のボランティア活動とは違う側面があることが判明した。ボランティアとはいいながらも、みずからの生計のおぼつかない高齢者にとって、ボランティア活動が多少の収入につながる必要がある。7.在宅ケアのためのコミュニティ・ケア・システムの要請それ自体は、コミュニティの崩壊と関連しているのだが、コミュニティ・ケア・システムの展開は、活性化しているコミュニティを必要としていることが明らかになった。在宅ケアのためのコミュニティ・ケア・システムには、結局のところ、その地域の住民がその地域で生き抜くことのできる産業が不可欠である。

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公開日: 1996-04-15  

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