研究課題/領域番号 |
04301019
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中田 実 名古屋大学, 教養部, 教授 (70023611)
|
研究分担者 |
松本 康 名古屋大学, 文学部, 助教授 (80173920)
山本 正和 椙山女学園大学, 人間関係学部, 助教授 (70200839)
黒田 由彦 名古屋大学, 教養部, 講師 (30170137)
交野 正芳 愛知大学, 文学部, 助教授 (50113056)
谷口 茂 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (20024185)
|
キーワード | 地域社会 / 地域住民組織 / 地域社会学 / 町内会 / 自治会 / 住民自治 |
研究概要 |
今年度の研究において得えられ新たな知見は、第一に予想した以上に地域の様々なレベルで住民による地域共同管理の自発的な試みが存在しているということである。言い換えると、自治を担う主体の成長が現実に広範に確認されるということである。この発見は社会学的地域研究において「地域共同管理」概念が有効であることを示す。第二の知見は、地域共同管理を実現するうえで町内代・治自会が重要な役割を果たしうるということである。町内会・自治会は従来ともすればその権威主義的性格や丸抱え的側面が指摘され批判されてきたがゐ地域共同管理の視点からみると住民自治を日常的に実現し、促進する側面が浮きび上がってくるのである。このように町内・自治会はいわば「二つの顔」をもっているといえるのだが、どのような条件のもとでどちらの側面が前面にでてくるのかという問題が次年度の研究課題として残された。第三の知見は、いま述べた次年度に持ち越された研究課題に関わってくるのだが、地域共同管理の実現において地域リーダーのもつウェイトが極めて大きいということである。それぞれ個性的である地域において、自分が居住する地域課題を的確に認識し、その解現にむかってヒトヤモノヤコネなどの様々な地域資源を動員し結び合わせる能力をもった個人の存在は、地域共同管理の成立のための必要不可欠のファクターであるといえる。第四の知見は、複数の主体の協同関係が適切に構築されたとき地域共同管理が成立する可能性が高くなるということである。住民だけで、あるいは行政だけでなく、それら複数の主体が従来の守備範囲論にとらわれないで協力関係を樹立したときに、地域共同管理が成立するというこてゐある。というのは完全に公的でもなく、完全に私的でもない一種の「中間地帯」-あるいは「炭色地帯」と呼ぶべきか-においてこそ地域共同管理がすぐれて問題化するからである。
|