研究課題
平成5年度は昨年度おこなった広島市など9都市住民へのアンケート調査データーの比較分析を行うと共に、これらに加えて地方中枢都市である仙台、四国の中心都市松山の2市の住民約1200人への同様のインテンシブなアンケート調査を行った。これにより瀬戸内都市を中心とした全国11の地方都市の基礎的データーが得られるとともに、地方中枢都市間の比較、伝統的な地方大都市間の比較、四国を含めた瀬戸内都市間の比較が可能となった。また吉備高原都市と因島市の現地調査も行い、2回の共同研究会等をふまえて、次のような知見をえた。1 都市のイメージ・評価については地方中枢都市の4市では全体として高い評価を受けているが、札幌・福岡両市に比べて広島市は低い評価を受けている項目がある。他は金沢市を除いて、その都市人口規模が低いほど、低い評価となっているものが多い。2 町内会・自治会などの住民組織や地域活動への参加の在り方においても都市の規模やその性格によってかなりの差がある。3 テクノポリスの指定を受けた吉備高原都市は、他のテクノポリスとは違って21世紀へ向けた都市基盤形成の先行投資の段階であり、現在のところ国や県の施設、障害者の働く工場を含む福祉施設などが立地している。4 企業城下町であった因島市はその中心企業が撤退したことにより衰退に見舞われているが、本四架橋により本州と陸続きとなったにも拘らず、依然としてその状態から脱する兆しを見せていない。平成6年度には、上記のすべての資料・調査データーの詳細な分析を行うと共に報告書をまとめる。