研究課題
平成6年度は昨年度おこなった地方中枢都市である仙台、四国の中心都市松山の2市の市民アンケート調査と、一昨年行った広島市など9都市市民へのアンケート調査データの総合的比較分析をふまえ、各分担者がそれぞれの担当都市及び分野の分析を行った。これらの総計11の都市を地方中枢都市(札幌・福島・広島・仙台)、伝統的な地方中核都市:県庁所在都市(岡山・松山・金沢)、地方中小都市及び小都市(宇部・因島・高梁)と都市形成都市(加茂川・賀陽の2町を核とする)の4レヴェルにわけ、瀬戸内都市を分析の機軸としつつ比較分析を行った。そして各自の研究成果をもちよった共同研究会をふまえて、以下の知見を中心とした報告書を作成した。1 各市民の自己の住む都市の印象については、地方中枢都市の4市でみると全体として恵まれた自然環境(緑が多い)や都市的・近代的な印象があげられているが、広島市は他の3都市に比べてそれらの印象が弱いのが特徴である。2 都市のイメージでは1・2位に来るものを挙げると、札幌が観光都市(71.9%)と商業・金融・サービス都市(45.3%)、福岡が商業・金融・サービス都市(67.4%)と支店都市(56.1%)、仙台が支店都市(47.2%)と地方都市(41.7%)であるのにたいして、国際平和文化都市を目標としている広島は平和都市(62.5%)と地方都市(51.0%)というイメージを強くもたれている。3 都市の住みよさについての多面的な評価では、瀬戸内都市の中枢都市を標榜している広島市は全ての項目で他の中枢都市よりもマイナス評価がおおく、3つの地方中核都市と比べてもかなりの項目で低い評価を受けている。4 他の調査項目でも、それぞれの都市の特徴により各都市は異なった個性をもっている。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)